2.夏休み終わり ページ4
すとぷり学園は夏休み。でも今日で終わり。そんな時__
『や。』
る｢やぁ。｣
るぅとは持っていたコーラを飲み干し、ゴミ箱に捨てた。
る｢急に呼び出して、どうしたの？｣
『まー…ね？取りあえず、歩こうよ。』
2人並んでぽてぽてと歩いた。暑さのせいで、足取りが重い。だんだんと話すことが無くなり、無口になった。
『もうすぐ、休みも終わりだね。』
る｢そうだねぇ。またあの堅苦しい制服着るのか…｣
『そんなこと言ってる割にはキチンと着こなしてるように見えるんですがな？？』
る｢なんかしっかりしてるのが好きなの。｣
ふぅん。とAは返し、持ち歩き用伝道式ミニ扇風機のスイッチを入れた。そして、忘れかけていたことを思い出した。
危ない危ない。笑
『ねえるぅと、あっちむいてほいやろうよ。』
る｢この間私は子供じゃないからって言ったのはどこの誰？｣
痛い所をつかれたが、まあいいか。
『いいから。ルールは簡単。先に3回引っかかっちゃった方が負け。ただそれだけ。』
それならいいよと承認したるぅとを見て、ニヤリとAは心の中で笑った。
Aには作戦があったのだ。絶対にるぅとを負かす方法。いつも自分のことをいじってくるるぅとへの仕返しだ。
『最初は｢パー｣』
るぅとがズルをして最初にパーを出した。Aはむっとしたが、本人は無視してあっちむいてほいをするため、指を構える。
る｢あっちむいてほい｣『オットット…危ない危ない。』
る｢ﾁｯ…外したか…｣
ﾁｯ…と言ったのは聞こえなかったフリをしよう。
『｢じゃーんけーんぽんっ｣』
Aが勝った。ニヤ、と心の中で笑い、指を構える。
『るぅと。私のことバカだと思ってる？』
突然の質問にびっくりしたるぅとは目をパチパチさせる。Aの予想では、上を向く。バカバカ言ってるけど…みたいな？
『ほいっ！』
る｢ｺｸｯ思ってるよ。だって40点なのに焦らないもん。｣
ぐっ！とAは思った。予想に反してるぅとは下を向いた。
その後もあっちむいてほいは続き、るぅとの勝利に終わった。
まあ、こずるい質問をしたAが悪いのだが。
『私のこと好き？』少し上目遣いで訊いた。ら、
る｢さあどうだろう？ふふっ、秘密☆｣
そう言ってるぅとはAを優しく抱きしめた。
それでドキドキし過ぎてAはリタイアしたのである。
からかいの仕返しをするつもりだったのに、いつの間にかからかわれていた…。
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作者名：梦雲苺 | 作成日時：2021年2月12日 21時
