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七話 ページ8

中也said

任務帰り、一寸暗いが路地裏を通ると誰かと肩が触れた








「すみません」







少し高く、鈴のような声が聞こえた







「こっちも余所見してた。すまねェ」







そう言えば目線があった






眼鏡をしているが、地味とは思わなかった









逆に……







「……な、なんだ?」






「あ、いえ……失礼しました」







そう言って其奴は前を進む







にしてもこんな夜に一人で大丈夫かよ









そう思いながらも前を進む








翌日の昼






久しぶりにあの店に通りの近くを通ったので寄ってみたら昨日の女がいた





「あ、手前昨日の……」







思わずそう言ってしまった







「お知り合いで?」






「いや、昨日の夜ぶつかっちまって……」






「……お構いなく。私は」






「Aさん夜に一人で歩いていたのですか?ぶつかった相手が中原さんでよかったですね」






「中……原?」






Aって言うのか……





「中原中也だ。手前は?」






「は、長谷川A」






「ふーん、よろしくな」






そう言って笑えば気まずそうに視線を下に向けるA







「あ、はい」






「……そんなパンケーキあったか?」






「新作です。食べますか?」






「いや、一寸急いでるから要らねェ」






会話の後、チラリとAを見ると幸せそうな顔でパンケーキを食べていた







クリームが頰についている姿も、可愛いと一瞬思い首を振る







初対面の女にそんな事思うかよ






俺は太宰かよ!?違うだろ!






そう自問自答しているとAが会計をしようとする






……此処は、俺が払いたい、カッコつけたい





なんて思った自分に若干引きながらAの分の金を出した





こんな気持ち、初めてだ

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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月25日 1時) (レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 正直にいうと後半の妹サイドの話、私は姉側に入り過ぎて自分の様に体調壊すまで痛みますその話はどれくらいで終わりますか。終わっていたらそこから読みたいのですが、どこからか教えてください (2019年5月31日 7時) (レス) id: 8edac39d65 (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» ええ、救いようがなくて何か言って入りたびに呆れてしまいます。救えないのです (2019年5月26日 20時) (レス) id: 996d91c156 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 居ますよね…救いようが無いからなぁ… (2019年5月26日 20時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» そうなんですか?じゃあ……自信持って頑張ります!そうですね。そうなんですか?私のクラスでも居ますね……改心できたら良いのですが、そんな気楽なもんじゃないから嫌ですね (2019年5月25日 13時) (レス) id: 996d91c156 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リュカ | 作成日時:2019年5月12日 15時

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