涙を流す物へ (ページ10)

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＠大我

朝、起きてスマホを確認する。

『今日はラジオだな。楽しみにしてる！』

『会えないけど、絶対聞くから～！』

『今日、俺とラジオだから！22時、楽しみ！地図→http..．』

『キョモン、楽しみにしてるぞ！』

『頑張って来いよ。あと、原作の漫画、読み返しておいた方がいいんじゃない？』

今日の俺の仕事はラジオなのかな。

一応、把握した、という意を込めて

黒い卵のキャラクタースタンプを送った。

そして、慎太郎という人と仕事らしい。

どんな人なんだろう…緊張してドキドキする。

でも、まだ、朝7時。

ふと部屋を見渡すと、会話にも出てきたコナンの漫画が

床に綺麗に並べられていた。

この探偵の漫画、めっちゃ面白そう…

さっきのドキドキとはまた違った、楽しみのドキドキが

心の底から込み上げてくる。

流石に並べられている量を読める気はしなかったけど

気づいたら、第1巻を手に取っていた。

…ピピッ、ピピッ

仕事に遅れないために、つけておいたアラームが鳴る。

大我「今、いい所なのに…」

種明かしの所だったのに…でも、そんなこと言ってる暇はない。

仕事に遅れたら、もっと、迷惑をかけてしまう。

栞をはさんで、ベットから起き上がった。

慎太郎から送られたURLにアクセスして

仕事番場に向かう。

さっきまで読んでいた探偵の漫画のせいもあって

気分は少し、探偵気分だ。

落書きや歩いてる人たちの事まで、何となく気になる。

そんな感じで、ルンルンと歩いていると

後ろから「大我！」って声を掛けられた。

事件…？なんて想像をしてたら、声をかけた正体は、普通の男性。

大我「誰…ですか？」

？「俺、慎太郎！」

大我「あぁ！同じグループの！」

慎太郎「そうそう！タメで話してね！」

太郎、っていうと

金太郎、みたなのを想像してたから…

慎太郎は、意外とカッコいい人だった。

慎太郎「今日は、名探偵キョモンっていうコーナーがあるから
　よろしくね。楽しみだな、探偵姿！」

大我「ちゃんと予習したんだ。真実は、いつもひとーつ！」

慎太郎「可愛いなぁ」

大我「うふふ…」

慎太郎に褒められて、少し照れる。

今思えば、このフレーズを

日本全国に放送されるとは…

慎太郎は大丈夫って言ってたけど

本当に大丈夫かな…そんな気持ちが芽生えたところで

仕事場に到着した。