お姉ちゃんのこぼれ話【シリーズ短編】 (ページ8)

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早朝に舞い降りた漆黒の天使達－ Yuuyami －ページ8

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本日、東海メンバーのみんなは外で撮影中。

撮影後には一度スタジオに戻ってくるだろうけど、それまでは静かに過ごせそう。

そう思った矢先、玄関のチャイムが鳴った。

早朝に舞い降りた漆黒の天使達

はて、誰か忘れ物でも取りにきたのだろうか。

だとしても、わざわざチャイムを鳴らす必要なんてあるだろうか。

不思議に思ってモニターを見ると、てつや達といい勝負をしそうな、個性的な男性が４人ほど映っていた。

恐る恐る「どちら様でしょうか」とモニター越しに問いかければ、あちらも戸惑ったように「あ、夕闇の小柳ですけど」と返ってきた。

(ユウヤミの、コヤナギさん…？)

数秒考えた後、ある記憶にたどり着いて、私はエントランスのロックを解除した。

「ほんっとーーにごめんなさい！！！！」

「あ、いや全然、お姉さんが謝ることでは…。」

コヤナギ、と名乗った一際目を引く男性が、頭を下げる私に優しい言葉をかけてくれる。

とりあえず中に通して事情を聞いたところ、どうやら彼らは今日、てつやに誘われてわざわざ東京からこっちに遊びに来たのだという。

予想するに、おそらくてつやは彼らを誘っていたことをすっかり忘れているのだろう。
そういえば、今日の外での撮影は、色々と予定の組み直しで決まった気がする。

「というか、お姉さん俺らのこと知ってたんすね。」

「動画のエンディングにてつやのだっさい画像使ってくれてる子たちだよね？」

「いや覚え方の癖すごいな！」

「あ、てつやくんにはいつもお世話になってます。」

「いやいや、こちらこそお世話になってます！っていうか、マジで今すぐ呼び出して土下座させるから、ちょっと待っててね。」

「土下座…。」

いくら事務所の後輩だからって、こんな扱いは許していいものではない。
てつやに悪気はないんだろうけど、平気で時間に遅れて来たり、スケジュール管理をミスしたり、今回みたいに約束をすっぽかしたりしてしまうのは、完全にてつやの悪癖。

「気にしないでください」と、見た目のインパクトとは裏腹に実に礼儀正しい小柳くんたちを見習ってほしい。

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