化学変化_02 ページ46
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りょうくんのつくったパーフェクトな朝食を食べ終え、後片付けをしようと立ち上がろうとしたけど「俺がやるからいいよ」と至れり尽くせり。
手持無沙汰なまま、洗い物をするりょうくんを眺める。
「そんなに見つめて、惚れた？」
「う〜ん、いい旦那さんになるんだろうなりょうくんは、って思ってた。」
「他人事って感じだね。ムカつくなぁ。」
「りょうくんさ、私のことムカついてばっかいない？」
「Aさんが俺をいじめるからでしょ。」
「生粋のいじめっ子が何を言ってんだか。」
実のところ、りょうくんはちょっと、意地になっちゃってるんじゃないかと思っている。
イケメン人生を歩んできた彼だから、今までなびかなかった女性なんていないのではないか。
そこに、私みたいな、ちょっと違う感覚の持ち主が現れて、物珍しくて気になっているんじゃないか、なんて。
(言ったら絶対怒るだろうから言わないけど。)
私は正直、もう恋愛で痛手を負いたくはない。
十代の頃みたいに、心臓がドキドキばくばくするようなトキメキもいらない。
ふと、目の前がかげる。
顔を上げれば、マグカップを２つ持ったりょうくんがいた。
「コーヒー、どうぞ。」
「あーもー！気が利くなぁ！なんか私もムカついてきた！」
「それは意味わからん。」
笑って、私の横に腰掛ける。
理不尽とわかりつつ少し睨みつけていたら、
突然、彼の手が私の頭の後ろへと伸びた。
「ねえ…」
「え…？」
まっすぐと、射抜かれるように目を見つめられて、一瞬息が止まるかと思った。
「実はさっきから気になってたんだけど、ここ。寝ぐせついてる。」
言いながら、長い指で私の髪をくるくると弄ぶ。
「そ、そういうことは気づいた時に言おうよ。」
「可愛かったからちょっと黙ってた。でもそろそろ虫さんあたりが来るかもしれないから、さすがに教えておこうかなって。」
「それはどうも、ありがとうございます。」
寝ぐせを直してくると理由をつけて洗面所へ向かう。
できるだけ、足早に。
(待て、待て待て待て。)
洗面所の鏡に映る自分の顔は、思った通り少し赤らんでいて、困った顔をせざるを得ない。
(ドキドキバクバクはいらないんだってば…。)
りょうくんの腕が伸びてきたとき、
(顔が赤いのはたぶん、勘違いしたのが恥ずかしかったからだ。ただ、それだけ。)
そう自分に言い聞かせながら、寝ぐせ部分を力いっぱい引っ張った。
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STO(プロフ) - ひなたさん» コメント、ありがとうございます。とっても励みになります^^ 続編についてですが、現在編集中の為パスワードを設定しております。準備ができ次第公開しますので、すみませんがもう少々お待ちください…！！他作品まで覗いてくださって、本当にありがとうございます！ (2020年5月3日 22時) (
レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 次作のパスワードはどこかに公開されているのでしょうか？？ (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 素敵な作品が読めて最高に幸せでございまさす。これからも応援してます！作品楽しみにしてますね(^^) (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
STO(プロフ) - ちゃんこさん» 乏しい語彙力を振り絞って書いているので恐縮です…！応援ありがとうございます^^ (2020年4月28日 7時) (レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんこ - 言葉選びやも展開もとっても好きです…陰ながらですが応援しております、！！！！ (2020年4月27日 20時) (レス) id: d3a7475a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：STO | 作成日時：2020年4月21日 15時
