28-1.体育祭とハチマキ【リク】 ページ45
〆.
今日は体育祭。
この日はちょっと特別というか。
普段妬きまくりな望が活躍して、女の子がきゃーきゃー言って、私の方が妬いちゃう日。
今まさにそれなの。
「小瀧くん!頑張ってね!」
「おーう」
「小瀧っ!うち、お弁当作ってきてんけど!」
「えー、ありがとうなぁ?」
「………………ふんっ」
しーらない。
望と食べようといっぱい作ってきたお弁当を、教室のかばんの中に戻した。
「A〜!!」
「あ、望……」
「ハチマキ交換しよ!!」
「なんで?同じ色なのに」
「んもうっ!ほら、ハチマキに名前書かされたやん?やからAは小瀧望って書いてるのを巻いて、俺のもんやーって」
「ああ。で、望は巻かずにお持ち帰りするんだね?」
「ふぁっ?!へ!?な、なななん、なん、なんのことっ??!」
下手か。下手すぎるわ。
「でも、汗かいた後のハチマキじゃなくていいの?」
「えっ……!」
望の目が輝く。
「あのっ、例えばですねAさん。Aさんのハチマキを今、俺が頂戴してですね、俺のハチマキにAさんの汗を染み込ませた後に俺に返却、というのはいかがでしょう」
「下心とかそういう問題じゃなかったね。いいよ?それで」
「よっしゃーー!!!!」
嬉しそうにササッと交換を完了させた。はや。
「これで頑張れる!!」
…………望、ハチマキ無い状態だけど大丈夫?
通常運転な望に、笑みがこぼれた。
……なーんてのも、すぐ不安要素になっちゃうわけで。
「小瀧くん、ハチマキは…?」
クラスの大人しめな子が恐る恐る聞いてる。
「ん?んー、んん……」
まさか事情を説明する訳にもいかないもんね。多分誰ももう引かないと思うけどね。
「ないなら、貸そうか?巻いてないと競技出れないし、ね?」
あ、あざと可愛い。あの子あざと可愛い。
「いや……でもそうか、出れへんなら………借りよっかな?」
望の所望で同時にムカデ競走に出るから、私が貸すこともできない。
それを見ていたくなくて、落ち着ける場所に逃げた。
〆.
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林檎(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!ニヤニヤしながら読んでます笑更新頑張ってください! (2019年7月16日 22時) (レス) id: 9baa2abd91 (このIDを非表示/違反報告)
みるくぷりん(プロフ) - 私、剣道部なのですが、ほんとに竹刀、防具匂います!クラスの友達にアンタこんなのつけてやってんの!?と、言われましたとさ笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 5c6cbd628f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - これ好き (2019年3月8日 1時) (レス) id: b98f2652d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - WEST大好きで緑と青とピンク色寄りのオールジャス民です最高です (2019年2月23日 17時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - 淳太くんと流星が主人公を取り合ってるのが見たいです! (2019年2月22日 22時) (レス) id: 9e0f7d62f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2019年2月14日 19時