あの双黒がオタクだった件について。【文豪ストレイドッグス】

24,一人で気楽に生きていきたいけど必ず面倒事に巻き込まれるのが人生だ。その3 ページ39

「いやだああああ！！
触るなケダモノぉぉおおおお！！！」


「私はケダモノじゃないよ！？」



あの後とある有名ブランドの服屋に連行された私。


なんでも太宰さんが例の彼女さんに会う為の私の服を見繕ってくれるとのこと。

しかも太宰さんの支払いで。


そう、話だけ聞けばとても優しく紳士的な上司だ。


だが、その服が問題だったのだ。


「そんな真っ白フリフリきゃぴきゃぴのロリータワンピースなんて着れるかボケェ！！」


「これ着ないと猫の惑星の王妃という威厳が出せないのだよ！！
我慢し給え！！」


「猫の惑星の王妃なんて非現実的なものに威厳もクソもあるかぁ！！離せぇ！！」



ロリータワンピースを片手に私を無理矢理更衣室に押し込む太宰さんと叫びながら必死に抵抗する私。


ヒソヒソと話をしながら周りのお客さんが怪しげに私達の方を見ていた。


そして、こんな状態がかれこれ15分は続いていた。


これ以上続けていては拉致があかない。


こうなったら男の最大の弱点を蹴りあげて1発KOさせるしかないかっ･･･。


悪く思わないでください太宰さん。


これもまた、運命です。


右足を少し後ろに下げ、思いっきり上に振り上げた時だった。


「わかった！もしこれを着てくれたら私Aにかりんとう饅頭20個奢るよ！」


かりんとう饅頭


その言葉に体が反応し振り上げかけた足がピタリと止まった。



「ふーん、私も甘く見られたものですね。」


「え？」


「私がかりんとう饅頭20個で買収できる安い女だと思ってるんですか？」


そう言って太宰さんを睨みつけハッと私は鼻で笑う。


「うーん、わかった！じゃあ25個！」


「は？」


「えぇ･･･じゃあ30個！」


「聞こーえなーいなー？？」


「うぅ･･･じゃあ40個！！」


「よし、着ましょう。」


そう言って太宰さんの手にあるロリータワンピースをひったくり更衣室に入る私。


この自分の判断とチョロさを私はのちのち後悔するのであった。

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