あの双黒がオタクだった件について。【文豪ストレイドッグス】

17,遊びは楽しくても白熱しすぎると潰し合いになるから程々に。その1 ページ32

「わぁ、こんな所にゲームセンターなんてあったんだ。」


それは任務帰りのことだった。

いつも通らない少し入り組んだ路地裏を通っていたら見つけたゲームセンター。


「本当だ。珍しいねぇ。こんな所に。」


そう言って共に任務を遂行した太宰さんも不思議そうにゲームセンターを見た。


「おい。寄り道してる暇はねぇぞ。とっとと首領に報告しねぇとなんねぇんだからな。」


ゲームセンターの前で立ち止まる私達を同じく共に任務を遂行した中也さんは少し面倒くさそうに見てそう言った。


「･･････折角だし入ってみないかい？」

「おい糞太宰。お前俺の話聞いてたか？」

「わぁ！いいですね！ゲームセンターなんて久しぶりですし！」

「おい聞けや。」

「じゃあ早速レッツゴー！！」

「聞けっておい！！」


中也さんの言っていることを無視して私と太宰さんは子どものようなテンションでゲームセンターに入る。


そして中也さんも「あいつら･･･」と苛立ちながらも何だかんだ私達に続いてゲームセンターに入っていった。



中に入ると色とりどりの光を放っている数多くのゲーム機が目に入ってきた。


「うひょー！！ゲームセンターだぁ！！なっつかしー！！｣


ゲームセンターの賑やかさに懐かしさをおぼえ私は子供のように興奮する。


「けっ、ガキみてぇにはしゃぎやがって。」

「ちゅーやー！！見給え！！

《魔法少女プリティ☆リズム》のまゆみちゃんのフィギュアのUFOキャッチャーだよ！！

とれるかな！？やっていいかい！？」

「何で手前も一緒になってはしゃいでんだバカ野郎！！」


私と同様子供のようにはしゃぐ太宰さんに怒鳴る中也さん。

そんな中也さんの言葉を耳に入れることなく太宰さんはUFOキャッチャーに百円を入れた。


「うーんもうちょい右かなぁ･･･。それともこのまま？･･･」

「けっ！そう簡単にとれるわけねぇ「とれた！！」ウッソだろお前！！」


人の苦労を嘲笑うかのようにあっさり目当てのフィギュアをとる太宰さん。

それを見て中也さんは目を見開き驚愕していた。


(なんか子供みたいだなぁ･･･。)


そんな双黒さんを見て私は一人和んでいた。

しかし、折角ゲームセンターに来たのだから三人で一緒に遊べる物はないのだろうか。

そう思い辺りを見回す。

すると一つのゲームが目に入った。

私はそのゲーム機を指さしながら少し遠くの双黒さんにこう言った。


「中也さん！太宰さん！


エアホッケーやりませんか？」

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