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《番外編》オタクでも辛いことがあれば泣きたくなるものさ。その3 ページ25

「・・・嫌なことを思い出したなぁ。」


感傷に浸っているといつの間にか目的地である中也さんの仕事部屋に着いていた。



コンコンとドアを2回ノックする。



「白石です。」

「入れ。」

「失礼します。」



ギィッと少し軋むドアを開ける。



中に入ると中也さんは書類整理をしていた。


「此方今回の対抗組織討伐作戦の資料です。」


中也さんの元に歩き首領に渡すよう頼まれた資料を渡す。


「あぁ、わざわざありがとうな。」

「そういえば手前聞いたぞ。

首領からの作戦参加命令断ったらしいな。」

「え?なんでそれを?」

「あー、黒服達が噂してたぜ。」



大方首領の部屋の見張りをしていた黒服達が他の人に喋ったのか。

暇なのかあいつら。


「私の異能力なんて中也さんみたいに戦闘向きじゃありませんし。
お荷物になるだけですよ。」

私はへらりと笑みを作り中也さんにそう話す。



「・・・・・・なんだそりゃ。
手前が勝手に全部諦めてるだけだろうが。
自分の実力不足を異能力だけのせいにしてんじゃねぇ。」

私の発言が気に入らなかったらしく中也さんは険しい顔でそう言った。



「・・・しましたよ。」

ボソリと私は呟いた。

「あ?」

「しましたよっ!!努力なんて嫌ってくらいにしました!!

銃の扱い方を学んだり格闘術を学びもしました!!

でもっ!人間限界があって、向き不向きがあるんですっ!

中也さんみたいな異能力にも恵まれた、体術にも恵まれた人に私の気持ちが分かるわけないじゃないですか!!」

気がついたら私は涙を流しながら中也さんにそう叫んでいた。



なんで、なんで貴方がそんな事を言うんだ。



尊敬している貴方にそんな事言って欲しくなかった。



「っ・・・失礼します!!」

私はその場にいるのがいたたまれなくなりその場から走り去った。



途中中也さんの呼び止める声が聞こえたが無視して部屋を出た。




「馬鹿だよ・・・こんなん単なる八つ当たりじゃん・・・。」

私は本当に出来損ないだ。

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チョッコレート - 一話目でさっそく吹きました (2021年3月25日 2時) (レス) id: 38d2d1d0df (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷ。 - かきのすけさん» 流石!ブレない夢主ちゃん!wwお母さん好きですwwwww (2018年12月10日 7時) (レス) id: 830fe45671 (このIDを非表示/違反報告)
かきのすけ(プロフ) - みるくれーぷ。さん» 「お母さーん私バイトしたい。」「なんで?お小遣い毎月あげてるじゃない。」「親のスネかじって生きていくのはもうやめたいの!」「本音は?」「かりんとう饅頭大人買いするためです。」「勉強しなさいバカ娘。」これが高校生の頃の夢主ちゃんです。 (2018年11月17日 22時) (レス) id: b76b5fd908 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷ。 - かきのすけさん» かりんとう饅頭+歯医者=夢主ちゃんですね!?(違う)了解しましたァ!私の辞書に追加して可愛がり(?)ます! (2018年11月17日 21時) (レス) id: 830fe45671 (このIDを非表示/違反報告)
かきのすけ(プロフ) - 津島霧香さん» コメントありがとうございます!更新遅くなってしまってすみませんでした!楽しんでいただけてとても嬉しいです!更新全力で頑張ります! (2018年11月5日 16時) (レス) id: b76b5fd908 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かきのすけ | 作成日時:2018年4月14日 1時

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