57P ページ9
「一塊になって動くな！！！」
『！』
相澤先生が叫ぶと同時に、USJの中心部にある噴水辺りから黒いモヤが広がる。そこからぞろぞろと異形型の人たちが出てくるのが見え、友好的な雰囲気では無いとすぐに感じて私は杖を構えた。
「なんだアリャ！？また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン？」
『どう見ても違うでしょ！』
「動くな！あれはヴィランだ！」
切島くんがなんだなんだ？と身を乗り出して来たので思わずつっこむと相澤先生がゴーグルを着けて戦闘態勢に入る。
『ーーー刃に更なる力を与えよ、ブレイブエンハンス！……っ先生！サポートします！』
杖を構えて先生に補助魔術をかけると、全身が淡く赤く光った。魔術の効果が効いてる間は身体機能が強化されている。
次の魔術を唱えようとしたその時、相澤先生が背を向けたまま口を開いた。
「…五月雨、もう良い。今奴らにやたらとお前の個性を見せるな」
『！ でも…っ』
「今ので十分だ。ありがとな」
ほんの少しだけ振り向いて安心させるように笑いかけてくれた。
するとヴィラン側の手を沢山身に付けているリーダーらしき男が苛ついているのか首をガリガリと掻きながら声を上げる。
「オイ…！どこだよ、折角こんな大衆連れてきたのによ…オールマイト…平和の象徴が居ないなんて…子供を殺せばくるかな…？つーかそっち補助スキル持ちの奴いんだろ。ずりーな…」
『っ…！』
手に覆われた隙間から視線が此方に向いたのがわかる。ぞわりと背筋が震えたけれど、震えを抑える為に杖を握り締め睨みつけた。
警報センサーが反応しない、校舎から隔離された空間、ここにどの教師が来るのか把握していた様子。焦凍くんがバカだがアホじゃねえ、用意周到に画策された奇襲だと言った。
(この人達…お父さんを狙ってるの…)
きっと今までも沢山命を狙われた事もあった筈だけど父に対する憎悪を直接感じ取ったのは初めてで、誰もが愛するヒーロー、誰もが感謝する平和の象徴だとずっと思っていた。
相澤先生が一人飛び込んで行き、捕縛武器と体術を駆使して次々とヴィラン達を倒していく。出久くんに先生の個性じゃ危ないと止めたけれど一芸だけじゃヒーローは務まらないと言っていた。
「先生が戦って下さっている間に避難しよう！」
委員長の飯田くんが声を上げて演習場の入り口まで皆で走り出す。
すると黒いモヤが入り口を塞ぐように現れた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 667人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通りすがりの読者 - すごく大好きです。ありがとうございます。 (2020年4月7日 20時) (
レス) id: e61e95ec0f (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - すごい面白かったです！大変だと思うけど更新頑張ってください！！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 232c0cd734 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なさ | 作成日時：2020年2月13日 2時
