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私と出久くん、すぐ近くに居た蛙吹さん、峰田君と一緒に負傷して意識を失っている相澤先生を父が脳味噌剥き出し男と戦っている所から遠ざける為運び出す事になった。実際運んでいるのは男の子二人だけど私は続けて先生の治療をし、蛙吹さんは周囲の警戒をしてくれていた。
(相澤先生…何も後遺症が出なければ良いけど…)
治療をしているものの目覚める気配がないと不安になる。だけど顔色は先程よりは良くなったので少し安心した。
そしてドゴン、と大きな音が聞こえて思わず振り向くと父が脳味噌男にバックドロップをしていた。
ーしかしよく見てみると脳味噌男の上半身は地面に飲み込まれていて、その上半身がどこへ行ったのかと言うとバックドロップ状態の父、オールマイトの真下から生えて父の腹部を両手で掴み、指の力だけで抉っている。
(！ お父さん…！)
以前見せて貰った事がある。強敵と戦った際負ってしまった痛々しい傷痕を。地面から生える脳味噌男がたまたまかもしれないけれど、丁度そこを狙ったかのように掴んでいたので私は堪らず駆け出した。
ヴィランが恐ろしい事は中学の時に思い知ったけれど、襲われた時よりも襲われてる勝己君や出久君を見た時の方が恐ろしいと感じた。大好きな人達を失ってしまうのではないかという絶望感が流れ込んできて苦しくて、あの時も思わず走り出したんだ。
ヴィランとの距離も近くなっていく内に声が聞こえてきた。
黒モヤ男が自身の個性で父の体を分断すると。
『っそんな事…させない！！』
走りながら詠唱を始めようとしたその時、出久君が凄まじい速度で私の後ろから飛び出してきた。
「オールマイト！！」
そう叫ぶ出久君の目には涙を浮かべているようにも見えた。あまりにも一瞬だったから気のせいかもしれないけれど…
そして横から爆発音と共に軽やかな身のこなしで現れた勝己君が黒モヤ男をあっという間に取り押さえ、数秒遅れて来た焦凍君は氷の個性で父が凍らないよう器用に脳味噌男だけを凍らせていた。
死柄木と呼ばれた男の方は切島君が殴りかかったが軽くかわされたようだ。
「あーっ！くそ！いいとこねぇ！」
と悔しそうに漏らしつつ死柄木と対峙するように私達は向かい合った。
.
※現在進行形で多忙の為久々の更新です…お待たせしてしまい申し訳ございません…
続く (更新停止中)
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通りすがりの読者 - すごく大好きです。ありがとうございます。 (2020年4月7日 20時) (
レス) id: e61e95ec0f (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - すごい面白かったです！大変だと思うけど更新頑張ってください！！ (2020年4月5日 1時) (レス) id: 232c0cd734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なさ | 作成日時：2020年2月13日 2時
