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俄雨だろうし上がるのを待とうと入口から近い階段を数段だけ登り、其処に腰掛けた。
(寒い…何か体を温める魔法使えないかな…)
膝を抱えるように小さくなりつつ目を閉じて頭に浮かぶ言葉を紡ぐ。
『ーーー温かな光よ、フォトンフラム』
言葉に応えるように温かい光が目の前に集まり始めた。これでなんとか寒さも凌げそうだ。
まだ体は濡れているけれど、何となく寒さは無くなってきた気がするので服が乾くのを待った。
『？ん…』
暫く雨音しか聞こえて来なかったのに外から雨水を蹴る音と共に足音が聞こえる。それもこの廃工場に向かって。
一応警戒しておいた方が良いと思い、光を消してから階段をもう数段登って静かに入り口を見つめる。
「っは…、…」
工場内に駆け込んできたのは今の私と同い年くらいの半分白髪、もう半分は赤髪の男の子だった。
かなり息を切らしながら来たけれど、靴も履いてない。こんな雨の中、何処かで落としてきたのかな…
『…あの』
「！」
階段を降りながら声をかけるとその子は肩をびくりとさせながら此方に顔を向けた。
泣いていたのかな…、目が少し赤い。
『風邪引いちゃうから、とりあえずこっちにおいで？私の個性でお洋服乾かすから』
「…、…うん」
突然こんな事言ったら警戒されるかも、とちょっと心配だったけれど窓から光が入る所までその子と移動して、先程と同じように個性で光を発生させた。
「…あったかい」
『うん、乾くまでまだ時間かかると思うけど寒いままよりは良いかなと思って』
とても大人しい子なのか、あまり口数の多い方では無い事が何となく雰囲気でわかった。それと多分今何かあって元気も無いのかもしれない。
『私ね、Aっていうの。君は？』
「…しょうと」
『そっか、焦凍君か。よろしくね』
「…うん」
『とりあえず、走ってきて疲れてるだろうし、座ろっか』
「…うん」
その場に腰掛けたら焦凍くんが私の隣に腰掛けて、個性で出した光をじっと見つめていた。
話すのがあまり得意では無さそうだったので暫く静かにしていたけれど、彼の顔をよく見てみると頬に叩かれたような痕がある。
(虐待でも受けてるのかな…)
「！」
不安を感じて痕に指先が触れると、驚かせてしまったのか少し距離を取られてしまった。
『あ、…ごめんね？痛いかなと思って…』
「…これくらい、大丈夫」
.
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なさ(プロフ) - 夜月 零夜さん» コメントありがとうございます！まだまだ未熟者ですが頑張ります！！ (2020年2月11日 13時) (
レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
なさ(プロフ) - ありささん» ありがとうございます！とっても天然な主人公ちゃんですが気に入っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
なさ(プロフ) - レーナさん» 返信昨日ある事に今更気付きましたすみません…！応援ありがとうございます！頑張ります！れんこん！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: f613967be2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 零夜 - 面白かったです！更新頑張ってください!! (2020年2月7日 16時) (レス) id: 3da7626fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - すごく面白い！主人公ちゃんが可愛い！頑張ってください！ (2020年2月5日 23時) (レス) id: 171cb6aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なさ | 作成日時：2020年1月29日 3時
