・ ページ25
・
黙り込んでしまった俺の代わりに照が言葉をかければ、康二はあたかもカメラマンになったことが間違いだと言わんばかりの口調だった。
本人はそんなつもりが無いのかもしれないけれど、自分の意志に従うのが悪いみたいな口調。
iw「そんな中で突然事故の怪我人を助ける動画が出回った、」
kj「らしいな。
それを見た叔父さんが突然東京の家まで来た思ったら『人助けするっちゅうことはまだやる気あるんやろ。今の仕事は替えが効くけどノードクターは康二にしか出来んのや』って言われたわ。
別にもう嫌やなんて言っとらんのに説得されたから誤解を解くのにどんだけ時間かかったか」
iw「あっさりドタキャンできるほどカメラマンの仕事に本気じゃなかったのかよ」
kj「やって今能力者でも許してくれる場所はノードクターしかないんやもん！！」
ごめん、食い気味に大声を出したと思えば予想外の声量だったのか謝ってきた。
kj「カメラのお仕事は大好きやで。もうちょいしたら仕事復帰するくらいには辞めたない。
・・・でも能力者やってバレたら？
能力者でも、俺を必要としてくれる確証なんてどこにある？」
さっきまでの勢いを失いながらも紡ぐそれは、俺らの痛い所を突くものだった。
kj「高校ん時クラスには俺の他にもう一人能力者がおったの。
確か翔太くんと同じ水を操る能力やったと思うんやけど嫌われてた。
『気持ち悪い』んやと。人を傷つけることしか出来んから危険なんやと。」
話を聞いて思い出したのは、その水操作能力の彼が経験したのと同じだろう自身の小学生の頃の景色。
好奇の目と恐怖心が交差する中で味わった二度と味わいたくない嫌なもの。
kj「俺が能力者やってバレた時クラスメイトはそいつに向けるのと同じ顔を向けた。
でも、俺は人を助ける能力やったから。みんなに必要やって思われる能力やったから。
治癒能力者や言うたら俺のこと受け入れてくれたんよ。
今まで仲よかったんに能力者だって分かった途端嫌われかけるってことは俺そのものは必要ないってことやんな…？
それやったら、能力者であっても受け入れてくれるところにおりたいやん」
康二の考えも一理ある。
大抵の能力者は自身の正体が晒されれば嫌われると分かっているから、ノーマルを装って生活をしている。
俺が学生時代能力を隠し続けたのも、能力者の自分を受け入れてもらえるところがなかったからだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1945人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗絢
| 作成日時：2020年11月2日 17時
