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-side Fukazawa-
fk「逮捕状取れたよ。医師免許の不保持と医師の営業妨害って扱いだけど、そこから証言取れれば康二の軟禁と強制労働に対しての追訴も出来ると思う」
裁判所から照の待つ車に向かいながら電話を掛ければ、向こうも準備中なのかガサガサと音が入っている。
ab《ありがとう、じゃあこのままいく？》
fk「そうだね、現場付近で落ち合おう。そっちから誰か連れてく？」
ab《いや、俺だけかな。そっち照もいるでしょ？》
fk「うん。第九係は3人いれば十分か」
助手席に乗り込めば、お疲れと声を掛けてくるから空いている手を上げて答える。
ab《すぐ引き渡せるように上層部の応援呼んどくよ》
fk「頼んだ。じゃあ現場で」
俺がシートベルトを着けたのを確認したらしく、聞き取った会話を察して車が静かに動き始める。
電話を切って、ストレッチさながら狭い車内で両腕を上げた。
iw「なんかさ、ふっかを色んな所に連れて行く度に本当に警察官なんだなって思うよ」
fk「何それ、普段の俺は警察官に見えない？」
iw「パッと見チャラそうってイメージが強いからさ。捕まる側の方が似合いそう」
fk「失礼な」
ふはって2人で笑いあうけれど、絵にかいたような警官らしくない自覚はある。
真面目な雰囲気だとふざけたくなるし、似合わないから。
iw「ふっかはさ、なんで警察官なろうと思ったの？」
fk「えー、今それ聞く？」
iw「何となく気になってさ」
fk「…かっけぇな、って思ったから」
iw「それだけ？」
fk「それだけ。」
照はどこか呆れたような顔をしているけれど、だってそれ以外に言いようがないんだもん。
高校出て一般企業に就職したはいいけどなんか違うなってなった時にたまたま刑事ドラマ見て興味持ったからやってみようと思っただけ。
多分、昔から何においてもそつなくこなせてしまった自分の器用さが役に立ったんだろうな。
ほら、俺って運だけはあるから。
エリート街道まっしぐらと同じもしくはそれ以上の驚く異例のスピードで昇進を続けて今に至るってくらい。
fk「だから、たまに周りとの温度差にびっくりするときがあんの。
ずるいことしてるわけじゃないのに、嫉妬もされるし、嫌われまくった」
iw「よく続けられてんね」
fk「ね、俺も思うよ。」
何度か風当たりに耐えられなくて辞めようと思った時もある。
でもなんで続けられているのかは、自分でも分かんない。
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作者名：紗絢
| 作成日時：2020年11月2日 17時
