3話 ページ5
「……」
白い天井をぼんやりと見つめる。私、今まで何してたっけ…？
息を吸うと、薬品の臭いが混じり合った、軍医室の独特な臭いが鼻孔を擽る。
…まさか、軍医室？いや、でもさっき特殊部隊の隊長に殺されて…
一人で悶々と考えていると、目の前のカーテンが開く。
「あ、起きた。傷口開くと駄目だから、あんまり動かないでよ」
カーテンの奥から顔を出したのは、白衣を着て般若面をした男性だった。
意味の分からない格好に、言葉が出ない。なんで般若面？ガスマスクならまだ分かるけど…いや、室内でガスマスクも可笑しいか。
「え、えっと、」
聞きたいことは沢山あるのに、顔(？)に気圧されて頭が真っ白になる。何かしらの理由があるんだろうけど、それでも可笑しい。
それを男性は察したのか、微笑を浮かべて説明をしてくれた。
「ここは西軍の軍医室。俺は西軍特殊任務部隊の専属軍医、あろまほっと」
呑気に欠伸をするあろまほっと…さん？
名前まで特殊な方だ…
「ど、どういうことですか」
「後で説明するから、まだ寝ててよ。今はまだ任務中だから」
上半身だけを起こすと、あろまほっとさんは優しく私の体を倒した。
まだ“彼奴ら”は来ないし、説明は後でするから寝ていていいよ、とのこと。
“彼奴ら”…特殊部隊の方々のことだろうか。あろまほっとさんより特殊な方はいるのかな。
…いやいや、駄目だ。私は東軍の兵であって、西軍にお世話になってはいけない。ライバル同士なんだから。
「か、帰ります…っ！」
慌ててベッドから降り、立ち上がると、激痛が肩に走る。
思わずしゃがみ込むと、優しく体に触れる温かい手。
「あぶねっ、傷口開くから大人しくしてろ？別に、東軍のヤツだからって殺 しはしないから」
「でも、」
「大丈夫、俺を信じとけ？」
支えられながらまたベッドに横になる。あろまほっとさんは、爽やかな笑みを浮かべて私の頭を撫でた。
「おやすみ」
あろまほっとさんがカーテンを閉めた時には、既に私は眠りについていた。
安心したわけではない、疲れていただけだ、多分。
「Aサン、ねぇ」
だから、彼が悲しく呟いていたことも、私と同じロケットペンダントを持っていることも、私は知らない。
◆
__あーあ、再会しちゃったねぇ。
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玉ねぎプリン(プロフ) - 那乃さん» レスありがとうございます！そ、そうなんですか…！？わ、すごく嬉しいです…！私も更新頑張ります！(？) (2018年11月25日 16時) (
レス) id: c1eca33c33 (このIDを非表示/違反報告)
那乃 - 玉ねぎプリンさん» ありがとうございます、めちゃくちゃ嬉しいです…！玉ねぎプリンさんの作品が好きで、そこから書き始めたので…本当にありがとうございます、更新頑張りますので、暖かい目で見守ってもらえると嬉しいです！ (2018年11月25日 14時) (レス) id: 616cac351f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎプリン(プロフ) - 初めまして。たまたまこの作品を見かけ、題名に惹かれました。プロローグや設定からもう好きです。更新、楽しみに待っています。 (2018年11月24日 13時) (レス) id: c1eca33c33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琉音 | 作成日時：2018年7月14日 22時
