1話 ページ3
昔、いつも一緒にいた四人。
サングラスをしたアヒル口の子に、綺麗な顔立ちをした明るい性格の子。般若面をしたちょっぴり毒舌な子と、フルジップパーカーに身を包んだ眠たそうな低い声の子。
…名前、なんだったかな。
首から垂れ下がるロケットペンダントを開ける。
四人と私が、笑顔で写っていた。
「そうだ、皆ばらばらになっちゃうでしょ？だから、約束しておこうよ！」
また笑おうねって、約束したのにな。
笑い合うどころか、感情が無くなっている。最近笑ったのいつだろう、嬉しいって思ったのいつだろう。
軍に入ってから笑わなくなった、泣かなくなった、幸せじゃなくなった。
心にぽっかり穴が開いたみたいに虚しくて、御国の為に戦い、人間を殺 すことしか出来ない。それしか出来ないのも、可笑しいけど。
ロケットペンダントを服の下にしまうと、ノックもなしで扉が開く。
「V9ｰ7、ゲヴァルト大将がお呼びだ。今すぐに来い」
顔を出したのは無表情な上司。声かけもなしに扉を開けるの、止めて欲しい、間違えて殺 しそう。
「…了解しました」
服の皺を伸ばし、一応ショットガンをポケットに忍ばせ、大将の部屋に向かった。
◆
「…ゲヴァルト大将、第17一般部隊V9ｰ7です」
入室を許可する大将の声を確認し、目の前にある威圧感を放つ重い扉を抉じ開ける。
大きなソファーには、足を組んで座る大将。そんな大将は、いつも通り感情の隠っていない声で話し始めた。
「西軍に特殊部隊があるのは知っているだろう」
西軍…私の所属する東軍と真反対にある、まだ出来て新しい軍である。
その特殊部隊は、世界に誇れる四人が所属しているとか。
「アストロンで感染者、特殊感染者と戦闘中。最近感染者がシンティラまで来ることが多くなってきたと」
「話の飲み込みが早いな。それで、お前に“MSSP”を潰して欲しい」
やっぱり、彼の考えることは、意味が分からない。
MSSPは、最強の部隊と呼ばれる程に最強の四人で構成されている。その四人を一人でなんて、無茶だ。
「私、特攻隊じゃないんです。一人では無理です」
大将の顔が分かりやすく曇る。
「大将の命令だ。逆らったらどうなるか分かっているだろう」
じとりと、大将の目が私を睨む。こうなったら逆らえない。大将に聞こえないように舌打ちをし、了解をした。
「明後日に実行する、準備をしろ。どうせ帰れはしない、部屋を片付けておけ」
大将が吐き捨てたのを聞き、ロケットペンダントを握り締め唇を噛んだ。
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玉ねぎプリン(プロフ) - 那乃さん» レスありがとうございます！そ、そうなんですか…！？わ、すごく嬉しいです…！私も更新頑張ります！(？) (2018年11月25日 16時) (
レス) id: c1eca33c33 (このIDを非表示/違反報告)
那乃 - 玉ねぎプリンさん» ありがとうございます、めちゃくちゃ嬉しいです…！玉ねぎプリンさんの作品が好きで、そこから書き始めたので…本当にありがとうございます、更新頑張りますので、暖かい目で見守ってもらえると嬉しいです！ (2018年11月25日 14時) (レス) id: 616cac351f (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎプリン(プロフ) - 初めまして。たまたまこの作品を見かけ、題名に惹かれました。プロローグや設定からもう好きです。更新、楽しみに待っています。 (2018年11月24日 13時) (レス) id: c1eca33c33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琉音 | 作成日時：2018年7月14日 22時
