SMの初恋 V

初恋のお見合いリターンズ 2 ページ2

YOU side



今回は誰かに邪魔されることもなく(？)
無事に出会えた、ハジメさん


その日が初対面とは思えないほど会話も弾み
思っていたよりずっと楽しい時間を過ごせた



ハジメさんはユーモアがあって話し上手な人だけど

オーバーにリアクションしながら
目を見て相槌を打つ、聞き上手な人でもあった


わたしより二つ歳上の
将来の夢もビジョンもしっかり持った大人の男性

だけど少年のような…
天真爛漫で純粋、そんな印象だった






「わざわざ送っていただいてすみません
今日はありがとうございました」


自宅の前までタクシーで送ってもらったので
頭を下げてお礼を言う


「こちらこそ！
楽しい時間をありがとうございました！

あの…Aさん！
もし良かったら、また会ってもらえませんか？」


そう言ったハジメさんの顔は
街灯に照らされて、心なしか赤く見えた


「はい、もちろん^ ^」


わたし達はそこで連絡先を交換し
また会うことを約束して別れた





家に入って一人になっても
なんだか心がぽかぽかするような…


わたし、ハジメさんとなら恋ができるかな…


恋をすれば
事務所のタレントにときめいたりしないよね？

EXOメンバーに心揺さぶられたりしないよね？


そんなことを思いながら
静かに震え続けるケータイを見つめた


実は、ほぼずっと鳴りっぱなしのわたしのケータイ


仕事でトラブルがあったりしたら困るからと
スタッフからの連絡には対応してたけど

それ以外の電話やメッセージは全て無視してた



BoAオンニ、SJ、SHINee…

錚々たるメンバーを無視し続けるわたしを
神様、どうかお許しください



その中でも
代わる代わる、絶えず連絡してきたのは
EXOのみんなだった


ごめんなさい…



こうやって逃げることしかできない
そんな今の自分が嫌だ


でも、みんなとも自分とも
ちゃんと向き合える日が来るまで…



わたしに、もう少しだけ時間をちょうだい



.

.

.




その日以降
ハジメさんは毎日電話やメッセージをくれた

それだけじゃない…


「用事があって近くまで来たから」と言って
ランチやショッピングに連れ出してくれたり

「男一人じゃ入りにくくて…」って
恋愛モノの映画を二人で観に行ったり


さりげなく誘ってくれるから
わたしも気負うことなく会えた


正直、助かってたんだ。


暇な時間があると
余計なことばかり考えちゃう

みんなが恋しくて
戻りたくなっちゃう


でも、今はまだダメだから…

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