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episode_thirty ページ30

思った通り、彼はやって来た。
「負けました」と困ったように笑い、その表情には悔しさが浮かんでいた

「見に来いって言ったくせに自分が負けるなんて恥ずかしいです。」

「……いや、俺は感心したぞ。」

Aがセドリックに紅茶を渡しながら言う

「……え?」

「正直、クィディッチの試合なんてどうでもよかったが、競い合っているお前達を見て少し、興味が湧いた。」

「俺のこれは意見だが、クィディッチの「ク」の字も知らない俺から言われるのも癪だとは思うが……お前はお前なりに頑張っていたと思うぞ。」

「それでも……やっぱり悔しいです。」

「ああ……そうだな。」

「___次は、次は勝ってみせます」

「……ああ。」

それから暫く、お茶の時間を楽しんだ。
セドリックがクィディッチの話をしだしたらもう止まらなかった。
Aの目は虚ろだった。















最近、クィレル先生はますます青白く、ますますやつれて見えた。
Aは会う度にやつれて行くクィレルを見て、強制的に医務室へ送った。

「で、でも私はっ………!」

「医務室へ行かないとクィレルさんにあばら骨が五、六本増える呪いをかけますよ。」

半ば、脅しだった。














医務室のベッドで寝ていたクィレルにAがそっと近づく。

「………」

彼は一体何を抱えているのだろう。
きっと全部を背負いきれないような事だろう
彼の目は凄く寂しそうで、脆く、触れたら難なく壊れてしまいそうだ。

寝ている時は、安心して眠ったような顔をしている

彼がおかしくなったのは今年に入ってからだ。
元々、マグル学の教師だったはず。
いきなり神経質になり、誰にでも怯えるようになった
トロールが入って来た時も真っ先に見つけ、彼は怯えながらも大広間へ駆け出した




____真っ先に?


ホグワーツにトロールのような巨体が入る事なんてまず無い。
ダンブルドアが保護呪文をかけているからだ

だとしたら、内部の者が手引きをしたと予想がつく。
しかし、あの時大広間に居なかったのはただ一人。クィレルだ。
生徒達がダンブルドアの保護呪文を破れる訳がない

もし、もし彼が入れたのだとしたら何の為に。






賢者の、石。






「(……いや、もうこれ以上はやめよう。)」

パズルのピースはあと数個。
しかし、Aは自分の考えを放棄する
性に合わないがクィレルを信じたかった。





「(俺には、関係ない)」

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ベルモット - 初コメ?です。生徒目線が多いので教師目線の話が新鮮でした。大人の事情が含まれる出来事も勘付く年頃になって痛感することがあります。 (5月16日 14時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます……✨✨そう言って貰えて嬉しいです!!(;´༎ຶٹ༎ຶ`)秘密の部屋編でもグダグダするとは思いますがこの作品をよろしくお願いします😊😊 (2023年1月24日 23時) (レス) id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 賢者の石編完結おめでとうございます!!感動的なストーリーやキャラたちとの絡みなどとても楽しく読めました!秘密の部屋編でも頑張ってください!!応援してます!!! (2023年1月23日 17時) (レス) @page41 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 塾から帰ってきて、覗いてみたら更新されていてめちゃくちゃ元気になりました(*≧∀≦*) (2023年1月14日 23時) (レス) @page36 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます(ᵒ̴̶̷ ᵒ̴̶̷ )✧‧˚応援してもらったのでめちゃくちゃ頑張りたいと思います(ง ˙-˙ )งこれからもこの小説をよろしくお願いします! (2023年1月14日 10時) (レス) id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とある緑の生徒。 x他1人 | 作成日時:2022年10月31日 18時

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