【46】 崩壊の時 −S− ページ1
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あの日……両親と弟妹が、死んだ。
俺の、目の前で…
……………殺された。
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妹の結(ゆい)にせがまれ…『かくれんぼ』を始めた俺と、弟の蒼。
結が鬼になり…俺と蒼は、バラバラに駆け出した。
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『家の中を走るな。』という母さんの注意も、どこ吹く風。
俺と蒼は互いに、思い思いの場所へと身を潜める。
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『我が家は、今日も賑やかだなぁ。』
『もう。笑ってないで、あなたからも言って下さい。“家の中を、走ってはいけない”って。』
『まぁ、いいじゃないか。元気が何よりさ。』
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そんな…父さんと、母さんの声が聞こえた直後。
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『だ…っ、誰だ!?』
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父さんの叫び声が、響いた。
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『じゅ〜う！』
『結っ！ ダメっ！！』
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十を数え終わった結の声に、母さんの叫び声が被さる。
その後は、激しい物音と父さん･母さんの叫び声が続き…
そして………
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『結(ゆい)っ！ 蒼(そう)っ！！』
『来ちゃダメ！！！』
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父さんと母さんの……………“最後の声”が、轟いた。
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その後…
静まり返った室内に響く、たった一つの足音が…クローゼットの前で立ち止まった。
そして……
その扉が……………開かれた。
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『ここに、いたのか。』
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恐怖で動けない俺の、目の前に現れたのは………全身、黒ずくめの男だった。
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恐怖に動けない俺を、じっと見下ろしていた男は…
やがて……俺を、クローゼットから引きずり出した。
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『……皆が、待ってるぞ。』
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ニヤリと笑った男が、俺に向かってナイフを振り下ろそうとした瞬間……
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『………ｯ!!』
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右手の人差し指の先が、焼けるように熱くなり…
更には…俺自身の両眼が、焼け爛れる程の熱を孕み始めた。
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“……サナイ”
“ゼッタイニ………ユルサナイ”
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『……モヤセ。』
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右手の人差し指に、意識が集まっていく。
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『コイツヲ…ケシサレ。』
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自身の内から響く声に、操られるかのように…俺は、右手の人差し指を男へと向けた。
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『キエロ！』
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自身の人差し指の先から、紅い光の矢が見えた……気がした。
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【47】 業火 −S− (※ 残酷な描写あり。ご注意下さい。)→
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美唯 - 更新待ってます。続き楽しみにしてますね (2015年10月8日 14時) (
レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 更新待ってます。 (2015年10月3日 21時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
愁(ｼｭｳ)(プロフ) - MakIさん» MakIさん◆ 通知が来なくて気付くのが遅くなり、お返事が遅れまして…誠に申し訳ありません。m(__)m コメント頂けて、本当に嬉しいです！ MakIさんの言葉で、また力が湧きました。お時間のある時に、また来てやって下さい。よろしくお願いします。(^o^)／~~ (2014年5月30日 3時) (携帯から) (レス) id: 2adada31bc (このIDを非表示/違反報告)
MakI(プロフ) - 愁さん♪私なんかが１コメですみませ〜ん。(^-^;;)でもこの作品が大好きなのでやっぱり来ちゃいました。薄くメンバーカラーを纏って現れてくるような画面を脳裏に描きつつ楽しませてもらってま〜す。 (2014年5月28日 6時) (レス) id: a44fe6c7e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁(ｼｭｳ)
| 作成日時：2014年5月6日 19時
