#22 ページ24
茜の家へ行くと
流川くんは慣れた足取りでリビングへ向かい
いつも茜の家にお邪魔した時に私も座っているソファーへ腰を下ろした。
私もそれを見て我に返り、いつものようにソファーへ座る。
流川くんはあまり女の子の家へはお邪魔しなそうだけどきてくれてよかった。
茜「色々もってくるからまっててね〜」
そうして茜が退出する。
A「...流川くん」
流川「ん」
A「もう喧嘩はしないでね。」
さっきの出来事を思い出し手と声が震える。
流川くんはそれを察知したのかこっちを向き目を見開いた。
腕が伸びてきたと思ったら頭をぽんとされる。
少し微笑んでくれた気がした。
これは肯定ととって良いのだろうか。
そういうことにしておこう。
再び沈黙が流れ出すだろうというときに
丁度茜が戻ってきた。
茜「救急箱もってきたよー！」
と渡してくれたので、ありがとうと返事をし受け取る。
なぜ茜が手当をしないかと言うと
茜は超がつくほどに手先が不器用なのだ。
手当をしている間にお茶とお菓子を用意してくれた。
手を離せないのでお礼だけする。
それにしても、、まじまじと傷を見るとやっぱり痛そうだ。
普通の人なら立ってられないくらいの出血だと思う。平気な顔して立ってたけどすごく心配だった。
今意識もあって尚平然な顔をしていられる流川くんってほんとに強い。
A「っよし！おわったよ！」
流川「ありがと」
と言ってくれたので思わず笑みを浮かべてしまった。
対照に茜は驚いた顔をした。
茜「...アンタってお礼いえるんだね。」
流川「うるせー」
仲良いなあ笑いを堪えながら思った。
そんな2人を微笑ましいと感じ眺めていた。
A「なんか..2人って仲良いよね。もう見てるだけでたのしいかも。」
茜「...あー」
流川「...」
微妙な空気が流れる
それに気づかず
A「ふたりってどーゆーかんけいなの？」
聞き方は良くないけど単純に気になったから聞くと
見事に沈黙が起きる。
ここでようやく壁に気づく。
A「あ..ごめん。」
こうしてみると2人はお似合いな気がする。
頭によぎるのは
流川くんは茜のことをどー思ってるんだろう。
好き、なのかな。
ここは空気を読んで帰るべきなのか？
A「帰った方がいい？」
と口を開く。
少し目頭が熱くなった気がするのは気のせい。
ここで邪魔出来るほど私も意地悪くはない。
想いが爆発する前に帰ろうと静かに立ち上がった。
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作者名：ももちゃ | 作成日時：2022年12月20日 21時
