失ってから、気付くもの。【青葉城西】

いい人そうで。 ページ6

「〜〜〜」

先生の呪文のような言葉を聞きながら、教科書を見る

後少しで昼休み…

キーンコーンカーンコーン

鐘が鳴る、先生の"終わり"という声に合わせて皆飛び出す

「良かったら一緒に食べない？」

顔を上げると、ふわりと可愛らしい女の子

「私、源叶恵、宜しくね」

『叶恵ちゃん…』

「呼び捨てでいいよ、A」

ニカッと笑った彼女の笑顔は、何だか頼もしい。

『うん、叶恵、た、食べよう…！』

「よっし！」

聞くと、叶恵は女子バレー部のWS。
お弁当を食べながら言っていた

「で…私の話ばっかだけど、何で転校して来たの？」

『…くだらないけど、許してね？』

わたしは、事情を話す

すると、叶恵は急に立ち上がる

「何それ！酷いね、全然くだらなくないよ！
その…薫って女も、気付かない及川達も」

叶恵は、はぁとため息

「ここの男バレの人ははそんな裏切るようなことしないよ！」

『うん…知ってる』

「でも、そんな怒ってないの？私だったらカンカンだよ！」

『いやもう清々しいほど迷いなく"出てけ"って言われたからね…』

「あー、ムカつく！あいつらに勝てない男バレもムカつく！」

こらこら……

久しぶりに、本心から笑った気がするなぁ

「まぁ…及川たちは、騙されせざるをえなかったのかね」

『なんで？』

「え？だって……その薫って女、演技うまいんでしょ。私だったら騙されちゃうかもしれんし」

『あぁ〜…なるほど。』

「まぁ、Aは何も悪くないよ。
……強いて言うなら、ちゃんと意見を言わなきゃダメだよ。相手に伝わらないから」

叶恵の言葉に、わたしは力強く頷く

「まぁ、言っても信じてくんないのかね。及川たちは」

かもしれない、けど

わたしが意見を言ったら……少しは伝わったのかな

次からは、ちゃんと言おう

『ありがとう、叶恵』

「んーん、わたしは何にもしてないよ！」

……烏野の人たちは、いい人そうで。

叶恵も、男バレの皆も！
.
殿堂入りとお気に入り1000越えマジありがとうございます！！

源(みなもと)叶恵(かなえ)

・サバサバしていて、言いたいことは言う。ちゃんとオブラートに包みますけども。

・茶髪のショートヘアー

・男勝りなとこがある

・女子バレー部WS

守りたい。→←さようなら、青葉城西。

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