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その後チーノは帰り、
Aは部屋で一人
ショッピが残した言葉たちを一つ一つゆっくりと読み進めていた。
表紙をめくると、数枚の写真が挟まれていた。
どれも私とショッピのツーショットの写真。
それを手帳の隣に置いて、またページをめくる。
“「突然グルッペンに呼ばれた。
幹部のほぼ全員がいた。戦闘要員ばかり。
全員が揃ったのを確認してから、グルッペンは神妙な顔つきで、話だした。
『この戦いで最後になる奴もいるだろう。
それくらい危険な任務だ。
どうか、我々国のために、その身を捧げる覚悟で戦ってきてくれ。』
と。」”
“「作戦を聞いて、あのゾムさんでさえ言葉に詰まってた。
理解はできてるが納得はできていない様子で。」”
次は数枚の花の栞が出てきた。
私が彼に作って渡したものだった。
その隣のページにも文字が書かれている。
“「今、あいつはどうしてるかな。
一人で、泣いてないとええな。」”
“「俺を恨んでくれてたら、いいけど。
俺が死んでも、ざまあみろって言えるくらい俺を嫌ってくれてたらええな。
そうすればあいつは悲しまんくて済むし。」”
“「好きな人とか出来てるんかな。
幸せに暮らせてるかな....。
あいつが笑ってくれるのが俺の隣じゃないってのが悔しいけど。」”
次のページをめくると、そこは涙の跡で滲んでいたがはっきりと読めた。
“「本当にごめん。最低な俺でごめん。」”
“「Aに会いたい。」”
“「最後は、笑顔のまま別れたかった」”
“「本当にごめんな。」”
そして、そのあとは空白のページが続いていた。
しかし私の手は止まらなかった。
何枚もページをめくっていく。
何処かに、彼が残した、何か幸せな言葉がないのか。
それを必死に探してしまっていた。
力の入っていない手で、何枚もページをめくる。
そして、最後のページ。
下手くそな絵と共に添えられた言葉。
“「A。
ずっとずっと愛してる。
だから、もう俺を忘れてくれ。」”
Aは一人、部屋で声を上げて泣いていた。
とても、悲痛な声で泣いていた。
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参考にした元のお話でめっちゃ泣きました。
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作者名：悠 | 作成日時：2020年9月13日 5時
