【d!】ハッピーエンドだけが全てじゃない【短編集】 (ページ25)

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「腹痛いんすか？」

ふと、頭上で聞こえてきた声。

少し低めで特徴のある声質。トーンは一定で冷たい印象を与えるのに言葉尻は優しくて。

なんて不思議な人なんだろうか。

泣き腫らした顔なんか気にしないぐらい彼を見たいと思ったから。すっと顔を上げる。涙でいっぱいの瞳では歪んだ姿しか見えなかったけどそのままで言葉を紡ぐ。

『どこも痛くないよ』

「でも、泣いてますよね？」

『へっ、？』

何故か彼は心配そうな表情をして、そっと私の頬に手を当てた。

「大丈夫ですか？」

『......泣いてるので説得力は皆無だと思うんですけど、

本当に大丈夫なんです！心配ありがとうございます....。』

恥ずかしさがすでにMAXを超えたAはゆっくりと彼の手から顔を離す。

何でこんなにキュンキュンさせられなきゃなんないんだ。くそう、よく見たらめっちゃイケメンじゃん。

「無理は禁物ですけど、今のところは大丈夫そうで安心しました。」

そう言って微笑んだ彼の顔を見た私の脳内は

「好き」で溢れていた。

しかし、それと同時に、Aの頭には姉のことが浮かんだ。

同じ高校にいるこの人を好きになった。

姉も、必ずそうなるだろう。

そうなれば、私はどうすればいい？

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この話の本編作りました。

是非ご覧になってみてください

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