【d!】ハッピーエンドだけが全てじゃない【短編集】 (ページ13)

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「よし。じゃあ行こか！」

『まだどこか行くの？』

「まあな。
本題はここからや」

優しく包み込むような貴方の笑顔が嫌いだ。何があっても気にしないと言うように豪快に笑う貴方の笑い声が嫌いだ。真っ直ぐに見つめてくる貴方の瞳が嫌いだ。

私は、貴方がこれからどうやって生き抜いていくのか、そしてどうやって死んでゆくのか

その全てを知ってる。

貴方だけじゃない。

貴方の仲間も、この国の行末も。

だからこそ上を向いて前に進み続ける貴方に、

全てを知っている私の考えを見透かしているような貴方に、全部吐き出してしまいたくなる。

どうか私の代わりに、貴方達を救って下さいと。

「まあ、いつかは皆んなにも伝えるつもりなんやけどさ。」

なんて言って気難しそうな表情のコネシマがいた。

何を？

声にならない声が口をついて出る。私にも、ましてや彼にも聞こえなかったが、何となく私の言いたいことが伝わったらしい。

コネシマは「この丘越えたら分かるわ」と言ったっきり、何も喋らなくなった。

何か隠し事をしていたのだろうか。仲間にも中々打ち明けられなかったことがあるのだろうか。

などと考え込んでいると、コネシマの「着いたで」という声と共に顔を上げた。

目に飛び込んできたのは、一面に広がる墓場だった。

『ここ.....って.....？』

「俺が最初に気が付いた時にいた場所。

それ以前の記憶なんて今もそうやけど、その時も一切なくてさ。なんでそこに居たのかも分からんかった。」

『へ？』

疑問に思いコネシマの顔を見上げる。

すると、一瞬Aの頭に痛みが走った。

そしてみるみるうちに、ある記憶が思い出された。

私は何度もこの景色を見たことがある。

そして、何度もコネシマのこの発言を聞いたことがある。

その後は必ず....

そう思い出した途端、Aの耳にはこれまで何度も耳にした事のある爆音が聞こえてきた。

××××年×月×日

敵国の奇襲爆撃が我々国を襲った。

これによって、我々国はほぼ壊滅状態に。

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Aが知っていた彼らの死因は、実はまやかしでその後ちゃんと助かってる。

だから本当の死因を思い出したということです。

転生ものです。でもAは他の主人公のような行動を起こす訳でもなく、死んで自分の使命から脱しようとしてたようですね。分かり辛くてごめんなさい泣