間違いから始まる恋【gr】 ページ41
.
落ち着きなく、誰かを待つA。
しきりに時間を確認したり、辺りを歩き回ったり。
手は胸の前で固く結ばれ、少しだけ震えていた。
『(来てくれるといいんだけど....)』
人の気配があまりない午前7時半。
同じクラスのスポーツマンのイケメンくんに告白をしようとそっと彼の靴箱に手紙を置いた。
彼の部活が7時45分から始まり、いつもこの時間に来ていることは調査済み。なんとか鉢合わずに手紙を置くことに成功したAは急いで中庭へと走っていった。
珍しく放課後に彼の部活はなく、覚悟を決めその時間を指定した。
貴重な休みに呼び出して申し訳ないが、部活に遊びに忙しい彼とゆっくり話ができる時間は今日この時しかない。
ゆっくりと深呼吸をしていると、
突然奥から足音が聞こえた
キタ.....
ゆっくりと近づいて来る足音。
そして
「どうした」
耳触りの良い低い声
緊張し上擦りながらも
『あの、ずっと好きでした.....っ、つ、つつ付き合ってください！』
そう言い切り、さっきまで俯いていた顔を一気に上げる。
『っ！？』
目の前にいたのは、どっからどう見ても明らかに彼じゃない男子が立っていた
その人の名は、
『グ、グルッペンくん....！、な、なななんで...』
黒髪の彼とは全く違う透き通った金髪に、黒い瞳ではなく吸い込まれる程に深い真紅。胸元には生徒会長を表すバッジと、クラスの委員長を表すバッジがついた制服を身に纏い、特に驚く様子もなくじっとこちらを見ている同じクラスの委員長、そしてこの学校の生徒会の長、グルッペンくんがいた。
「なんでって、お前からの手紙が俺の靴箱に入ってたから来た」
『え』
え？
私は確かにあの人の靴箱に入れたはず....
あ
靴箱の順番は一番右上から縦に出席番号順になっている。
そして、彼ら二人は出席番号が前後だ。
しかし、身長の関係でグルッペンとあの人の靴箱の位置を上下で変えたという話をつい先週聞いたばかりだった。
完全に忘れてた......。
でも、今更人違いだったなんて言えないし、
ってか、この人怖くてそんなの言えないし....。
少し怯えながら、チラッとグルッペンを盗み見るA。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 293人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
潮風悠(プロフ) - 鬼雷(ログイン垢)さん» いいですよ！ボード行きましょう♪ (2020年8月15日 22時) (
レス) id: c6e60d7221 (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷(ログイン垢)(プロフ) - 潮風悠さん» ログイン出来たのでボード？でお話しませんか？出来たらで大丈夫です！ (2020年8月15日 17時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷 - ↓続いてすみません……。ログ垢でコメントしたから名前そのままになってました…。鬼雷です……。 (2020年8月15日 17時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
た - 潮風悠さん» すみません！ログイン垢です……。普通に間違えた……。(たって言う名前なのは目をつぶっておした文字です…) (2020年8月15日 17時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
潮風悠(プロフ) - たさん» びっくりしました....もしかしてお名前変えました？？ (2020年8月15日 15時) (レス) id: c6e60d7221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠 | 作成日時：2020年7月12日 2時
