記憶の中の彼【gr】 ページ1
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少量の花束と、彼女の大好きな梨を籠に入れて歩き出す。
どうか今日も目覚めていてくれ。
せめて、俺が会いに行く時だけでも。
心でそう願掛けながらある一室の前で足を止めた。
「A、グルッペンだ。入ってもいいか」
すると、期待通り、優しい声色が届く
『どうぞ』
扉を開けると、ベッドの上で身体を起こして此方に顔を向けているAがいた。
『今日も来てくれたんですね。』
「体調はどうだ。」
『お陰様で何も問題はないようです。
ただ、やはり足が動かないのは不便ですね』
「そうか。」
彼女の言葉に、そっと目を閉じる。
『そちらの籠に入っているのは、もしかして、梨ですか？』
高揚した声で籠を指差しそう言ったA
「ああ。今食べるか？」
『いいんですか？食べたいです！』
ベッドの横に椅子を置きそこに座る。
梨の皮を剥きながら、話を続けた
「この前、シャオロンとコネシマが来たらしいな。
煩くはなかったか？」
『全然！とても楽しかったですよ。
彼らの話は私の知らないことばかりで、聞いていると物知りになった気がするんです。』
「そうか。」
真っ白な平皿にひとつ、またひとつと剥けた梨を置く。 それらをAは爪楊枝で刺してもぐもぐと食べていた。
とても幸せそうな顔だ。
懐かしいその顔に、自然とグルッペンの頬も緩む
すると突然、Aの手は震えだし、爪楊枝ごと梨を手から落とした
「どうした、A」
『す、すみません、あああ、あの、』
目からは涙が溢れ出し、頬はほんのりと紅潮していた
「落ち着いて、ゆっくり話すんだ。
何か思い出したのだろう。そう慌てなくていい」
Aは、元幹部であり屈指の精鋭兵士だった。
入隊一年の時落ちこぼれだった彼女は、初の実戦の場で才能が開花。スピード出世で幹部にまで登り詰めた。
誰もが認める実力と、誰からも好かれる愛嬌があった。
そして、俺の最愛の恋人でもあった
しかし、今からちょうど半年前
戦闘中に、頭に強い衝撃、そしてひどい怪我で大量に血を失いそのダメージもあり一部の記憶障害を引き起こした。
目覚めた時には、俺を含め仲間や我々国に関する記憶が一切なかった。
よくある話だ。
記憶喪失では一番身近のものを忘れる。
しかしそれは、あまりにも辛いことだった。
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潮風悠(プロフ) - 鬼雷(ログイン垢)さん» いいですよ！ボード行きましょう♪ (2020年8月15日 22時) (
レス) id: c6e60d7221 (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷(ログイン垢)(プロフ) - 潮風悠さん» ログイン出来たのでボード？でお話しませんか？出来たらで大丈夫です！ (2020年8月15日 17時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷 - ↓続いてすみません……。ログ垢でコメントしたから名前そのままになってました…。鬼雷です……。 (2020年8月15日 17時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
た - 潮風悠さん» すみません！ログイン垢です……。普通に間違えた……。(たって言う名前なのは目をつぶっておした文字です…) (2020年8月15日 17時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
潮風悠(プロフ) - たさん» びっくりしました....もしかしてお名前変えました？？ (2020年8月15日 15時) (レス) id: c6e60d7221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠 | 作成日時：2020年7月12日 2時
