Vol.3 ページ4
「君は……？」
「美月ちゃんのヘアスタイリストとして同行さ
せて頂いている 葉波Aです」
慌ててお辞儀をすると
「じゃあAさんに任せるよ
アレンジしてみて」
「ハイ！！」
名もしれない私に”任せる”って言ってくれたのが嬉しくて思わず大きな声で返事をすると
またカメラマンさんは驚いたように目を丸くしたあと ” クス ”っと笑って
「ちょっと休憩〜」とスタッフに声をかけて
出ていった
なんて優しい目をする人なんだろう……
吸い込まれそうにじっと相手を見つめる瞳
一瞬で人の心を引きつける魅力のある人だった
この日初めてあった人なのに心がキュッと
締め付けられた
後から思えば一目惚れだったのかな……
しばらく後ろ姿をボーッと見送っていると後ろからスタイリストさんが近づいてきた
「Aさん！！凄いです！！
渉さんにアドバイスするなんて！
あの人カメラマンのカリスマなんで皆言われ
た通りに動いて必死なのに…。
私ビックリしちゃいました〜！チャレンジャ
ーですね(笑)」
「えっ？そうなんですか！？私全然知らなく
て……。いつも裏でスタイリングしているん
ですけどスタジオまで入ったの初めてで……
有名な方なんですね(汗)」
「知らないんですか〜？この業界では知らない
人いませんよ〜？
カメラマンの 横尾 渉さんです。
皆彼とお仕事したくて競争激しいんですよ
〜？」
「どうしよう〜。
そんな方に意見しちゃうなんて……。
美月ちゃんにも迷惑かけちゃう」
「大丈夫ですよ。渉さんニコニコしてたし…
多分………(笑)
「も〜〜〜」
後で美月ちゃんとマネージャーさんに謝らなくちゃ(涙)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：silkball | 作成日時：2017年6月22日 15時
