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第28話 ページ30

僕が城に帰ったきたのは、陽が落ちそうな時間帯だった。
あの人に止血され、痛みは引いたもののやはりまだ少しばかりじんじんするその腕。




かなり遅く帰ってきた僕を一目散に心配しに来るのは勝家さん(・・・・)


「大丈夫か?!蘭丸!」と両肩を掴まれる。その見るからにガタイのいい腕で掴まれると少し、いやかなり痛い。
気持ちは嬉しいがなんせ痛い。そう思っていた時丁度長秀さんが止めに入ってくれ、なんとか生き延びた。

そんな中、自分の主君が現れたことによってピリッと空気が一変した。


痛みと背筋が凍るような雰囲気に冷や汗が流れる。


「…すみません、信長様(・・・)。」




片膝をついて、自分の失敗を語る。




少しの間が空いて、「……蘭丸」と我が主君は呟いた。
自分は身のこなしが軽いため己の力を過信し偵察に行き、見事に秀吉に一太刀浴びせられてきた。
なんと、浅はかな考えをしていたのだろう。




「………貴様に、5日間の謹慎を命じる」





それは、もしかしなくても、そういう事なのだろうか。


潤む瞳を閉じ、尊敬する主君に頭を下げる。



「…はッ!」



信長様、ありがとうございます。








「んあ、そういえば。蘭丸、お前その手ぬぐい誰のもんだ?」




話が終わったと感じた勝家さんは僕に問いかける。


手ぬぐい。
あぁ、忘れていた。

かなり、重要なことだ。




「---------花姫らしきものと、接触いたしました。」





「…は?」




「はぁ?」





「…なんだと?」






三者三様。





「詳しく話せ。」


目の色が変わったというのは、この事だろうか。

我が主君、織田信長様は僕に続きを話せと問いただした。


それほどこの接触は信長様にとって興味深く、大事なことなのだと思った。





「髪は白髪。長さは腰くらいまであり、薄桜色をした瞳の若い女でした。
偶然花姫と遭遇し、手当を受けました」




僕が織田軍ということは知らないようです。







信長様は自分の記憶の中にある花姫の容姿と一致したのか、ふっと口元を緩める。





「…そうか。




深緑月家へ兵を進めるのは十日後だ。
その後、猿の城へ行き花姫を奪う。」




良いな?と鋭い視線が刺さる。




「「「「はッ!」」」」






信長様、すみません。


花姫に、もう1度会いたいと思ってしまいました。






信長様の事です。もう気付いているのではないでしょうか。

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マスラ - 初めまして!とても面白いです!続き楽しみにしています。更新頑張ってください!(*^_^*) (2019年2月9日 17時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - コメントありがとうございます。そうですよね、秀吉、私も好きです^^* (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - ニャン武士(^・x・^)さん» ありがとうございます。遅くなりますが、この後投稿させていただきます。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
沖田総司 - キャー秀吉可愛い! (2018年10月17日 23時) (レス) id: 61bbaa65c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン武士(^・x・^) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年10月11日 2時) (レス) id: 3f82ed1d40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏琉斗 哀 | 作成日時:2018年9月22日 21時

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