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第15話 ページ16

『ぅ・・・』


視界が霞みながらも見えた天井は、私の部屋の天井だった。


「碧珠様、起きられましたか」


すぐ横には何故か三成様がいて、運んでくれたのだと理解するのには時間は掛からなかった。


『ありがとう…ございます』


か細い声ながらも、しっかりとお礼を言えた。

すると、三成様は「いえ。」と答え、少しの間を開けて言った。


「どうしたのですか?」



『え…?』

それは、どういう事ですか。
そう問う前に、三成様から話された。


「私が貴女を見つけた時、貴女は気を失っているのに泣いていた・・・何があったのですか?」


そう言う三成様の目は真剣だった。
私は何故か周りに秀吉様がいないことを確認してポツリと話しはじめた。


『私、秀吉様が政務をやっている間ずっと考えていたんです。何をすれば秀吉様は喜ぶのか。何をすれば秀吉様は──本当の顔を見せてくれるのか…って。』


三成様が息を飲んだのがわかった。


『でも、どれだけ考えても分からなくて…挙句の果てには秀吉様を怒らせてしまって、頭を冷やしにあそこに行ったら倒れてしまって』


三成様は何故かはぁ、とため息をこぼした。


『す、すみません…自分事に三成様を巻き込んでしまって……』


「そりゃあ、分かるはずもないでしょう。
貴女はあって数日の私の好きな食べ物を知っていますか?知らないでしょう?それと同じなんです。

貴女が変に責任を感じる必要はありませんし、秀吉様は少々変わっているので長年仕えている私にもまだ分からないことがあるものなのです。」

わ、分かりましたか?とそっぽを向きながら言う三成様。

心無しか頬が赤く染まっていて、可愛いなあと思って笑ってしまった。

『ふふ、ありがとうございます…三成様。
徐々に知っていけばいいのですね…。』

本当にありがとうございます。そう言って、三成様に視線を向ける。すると何故かどんどん赤く染まっていく三成様の頬。

可愛いなあ。また、そう思った時──



「・・・・・・起きてる?お、碧珠、おはよう!」


音もなく秀吉様が入ってきた。

自然と、さっきの言葉が頭に流れる。
あの言葉は、私を怖がらせるのには良い材料だったのだ。

秀吉様を見ると、途端に頭が痛くなってくる。

ガンガン、ガンガン、と頭を外側と内側から鈍器で殴られているような感覚。


『あ、ぅ・・・い"…っ!』


「碧珠──「碧珠様?!大丈夫ですか!?」…」


私を心配する三成様を見る視界が、ぼやけていく。

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マスラ - 初めまして!とても面白いです!続き楽しみにしています。更新頑張ってください!(*^_^*) (2019年2月9日 17時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - コメントありがとうございます。そうですよね、秀吉、私も好きです^^* (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - ニャン武士(^・x・^)さん» ありがとうございます。遅くなりますが、この後投稿させていただきます。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
沖田総司 - キャー秀吉可愛い! (2018年10月17日 23時) (レス) id: 61bbaa65c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン武士(^・x・^) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年10月11日 2時) (レス) id: 3f82ed1d40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏琉斗 哀 | 作成日時:2018年9月22日 21時

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