アブノーマルと【黒】 (ページ25)

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事情聴取ページ25

緑「ケーサツには言ったん？」

大倉が痛いところをついてきよった。

黒「まだ言うてへんよ」

緑「なんで？」

黒「言えるわけないやん……昨日やって、不安やったし、上手く話せへんし、怖いし」

青「でもっ！俺らには言ってくれたって……あ、エリザさんは!?エリザさんは誰かに言うたん!?」

『三人だけに言いました。擦り傷どうしたのって聞かれたので』

黄「なあそれって、信頼してんのやろ？何なん、横山くん、俺らのこと信じてへんの!?」

黒「どっくん、ちゃうよ…ちゃう」

黄「何が違うんかわからんわっ！」

どっくんが悲しそうに叫んだ。ほかの五人も、同じように悲しそうな顔をしとった。

俺やって、不安や言うてるやん。家族みたいな存在のみんなにやって、言えへんことくらいあるのに……

黒「やって……何て言うたらええかわからんやんかっ。

通り魔に殺されかけたとか、自分でもハッキリ覚えてへんし、そもそも思い出したないしっ……ちゅうか、そんなん、一人で言えるわけないやん。めっちゃ不安やのに。言いたいのに、口が動かないんよ」

もう最後の方は力尽きて、弱々しく言った。

理不尽なのはきっとお互いさまや。

紫「と、とりあえず…今ねここにヨコがおるのは、歌川さんのおかげやろ？みんな、それにまずは感謝せな。
この人がおらんかったら、今頃俺ら七人揃ってへんねんで？」

ヒナが震えた声でみんなに言って、みんなは歌川さんに口々に「ありがとう」と言った。

みんな涙目やった。

黒「マル、ヤス、どうしたん」

橙「やって…よこちょがここにおるんって、キセキなんやろ？そ、そう考えたらっ、なあ」

ありがとうって何回も言って、ヤスとマルは歌川さんの手をとって、祈るようにいっとった。