神永：屍者の帝国 ページ6
「記録する死体というものを信じられるか？」
二人っきりの部屋で鉛筆が文字を書く音だけが響く、しかし書いている本人はノートなど微塵も見ておらず、ずっと虚空を見つめている。
「…フライデー」と俺が呟くと鉛筆がぴたりと止まり、そのまま顔を此方に動かす。「僕の事どう思う？」と言うと、彼女は暫く静止していたが、すぐまた元の動きに戻った。
人間は死ぬと数グラムの魂が抜ける。ならば擬似的な魂を入れ込めば、人間は生き返ることが出来るのではないか？
フランケンシュタインがそう提唱したが―死んだら魂が抜けるわけではないということが判明してからは、誰からも相手にされなくなった学説だ。
そう、ほんの少し前までは。
「何故こいつはフライデーというんですか？」
「簡単なことさ、こいつを買ったのが金曜日だからだ」
フライデー、ともう一度声をかける。フライデーが二重スパイの供述を書き終わったようだ―見るまでもない、一字一句間違っていない筈だ。
「僕の事どう思う？」
彼女は新しいページに鉛筆で『僕の事どう思う？』と書いた。
「君に心はあるの？」
彼女はそのすぐ下に鉛筆で『君に心はあるの？』と書いた。
「僕はね」
彼女はそのすぐ下に鉛筆で『僕はね』と書いた。
「君の事を愛しているんだ」
彼女続けて『君の事を愛しているんだ』と書いて、鉛筆を置いた。
部屋には僕が椅子から立つ音だけが響いた。
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御冷ミァハ - 〈harmony/〉パロで波多野お願いします(>ω<) (2016年6月4日 22時) (
レス) id: 274ede080a (このIDを非表示/違反報告)
深夜放送 - しえんたさん» こんにちは！喜んでいただけて嬉しいです！次は続編で気軽にリクエストして下さいね〜 (2016年5月22日 19時) (レス) id: ae86f31621 (このIDを非表示/違反報告)
しえんた(プロフ) - こんにちは〜！リクエストありがとうございました(*^^*)読みながらニヤニヤしましたwまた宜しくお願いします(*´ω｀*) (2016年5月22日 14時) (レス) id: de39b7d707 (このIDを非表示/違反報告)
ハイセ - どのお話もすごく素敵ですね!あの、リクで田崎さんの激甘お願いしてもいいですか？ (2016年5月22日 0時) (レス) id: aa76fc5df9 (このIDを非表示/違反報告)
深夜放送 - ayaさん» こちらこそリクエストありがとうございます〜！次はぜひ続編でリクエストして下さいね！ (2016年5月20日 20時) (レス) id: ae86f31621 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深夜放送 | 作成日時：2016年5月5日 14時
