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てことで、戸締りを終えて、
帰る用意をした俺を、
2人を抱えた重岡さんが職員用玄関で待っててくれた。
ベビーカーは置いて帰るらしい。
｢荷物、持ちます｣
｢いや、大丈夫です。
俺、こう見えて結構鍛えてるんで｣
｢ぱぱ、ムキムキやねん｣
｢そうなん？
すごいねえ。
ムキムキかっこいいね？｣
｢うん！｣
流星君が教えてくれて、
自分の事のように言うてくれる。
パパかっこいいと嬉しいよね。
｢いっつも家で、
流星が神山先生のこといっぱい話してくれるんです｣
｢えー。
恥ずかしいけど嬉しいな。
流星君いっぱい話してくれてんの？｣
｢前は、先生も知ってはると思うんですけど、
事情が事情なだけに、
全く話す子やなくて、
心閉ざした子やったんですけど、
神山先生と出会って、この子が変わったんです｣
｢そんな。
ホンマにそれやったら嬉しいです。
でも多分、重岡さんのおかげですよね。
愛情を持って2人に接してるから｣
｢こんなポンコツっすけど。
ホンマに会議長引くとか、
子育て世代に甘くない会社で、って、
自分の会社の悪口は良くないですね。
俺の段取りが悪いせいです｣
｢いやいや。
お忙しいのに、お父さん1人で子育てして、
俺も関西から1人ででてきたんで、
なんとなく、頼れる人がいないってわかる気がして。
すみません。
こんなイチ保育士が｣
｢え、いや。
なんか、めっちゃ親近感っすわ｣
そんな話をしてたらすぐに駅。
駅近な保育所やからな。
｢神山、さん｣
｢え？｣
｢あの、良ければ、連絡先、交換できませんか？
イチ保護者やなくて、
1人の男・・・友人として！｣
｢・・・はい｣
ここから俺らが両思いになって、
互いの想いを打ち明けるまで時間はそうかからんかった。
でも、俺らはやっぱり、
イチ保育士で、イチ保護者やから、
流星君が修了して、
俺が違う保育所に転勤してからやないとって、
ケジメは付けて。
｢異動願い出したから｣
｢ありがとう｣
｢のんちゃんの成長見られへんのはちょっと悲しいな｣
｢なんでやねん。
望の親として1番近くで見れるやんけ｣
｢ほんまや｣
｢これからもよろしく。
智洋｣
｢こちらこそよろしくお願いします。
大毅｣
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月8日 19時
