1-5 ページ5
｢すみませんっ｣
｢いや、俺の方こそ、｣
目が合って、
やばい、って直感やった。
さっきとは違う、やばさ。
なんやこれ。
｢しげー、俺もトイレ〜｣
｢飲みすぎなんスよ｣
その方が、お連れの方と会話を始めたから、
すぐにその場を離れる。
先々月来たばっかやで？
次は来月の予定やで？
いや、ちょっと待て。
そんなはずは・・・
ドキドキする胸を抑えて、
席に戻ると。
｢神ちゃん、大丈夫？｣
のんちゃんが心配そうに声をかけてくれたから。
｢ごめん、ちょっと体調優れへんくて。
三千あったら足りる？
また足りひんかったら言うて。
今日は帰らせてもらうわ｣
荷物をまとめて、
財布から札を3枚取り出す。
｢智洋君帰るの？
俺、心配だから送っていくよ｣
真田さんの手が伸びてきて、
肩が上がってしまう。
｢あ！！
俺神ちゃん家に用事あるから、
一緒に着いてくわ。
ごめん、流星。
頼んだ焼き鳥お持ち帰りしといて！｣
真田さんが立つ前に、
のんちゃんが大きめの声でまくしたてて、
一緒に外に連れ出してくれた。
すぐ近くの自販機で水を買ってきてくれて、
抑制剤と一緒に渡される。
｢即効のやつやから｣
｢ん、｣
既に体の火照りは消えかけてたから、
冷たい水のおかげもあってか、
スっと軽くなった。
｢ごめん、のんちゃん。
気付いてたんや｣
｢いや、神ちゃんは謝らんでええよ。
あのさ、真田さん、ちょっと強引やったよな・・・｣
｢う、うん。
強引っていうか・・・｣
｢匂い？｣
｢うん｣
人より嗅覚がちょっと鋭いんやと思う。
乳児持った時も、
他の先生が気付かへん子供の排便に気付けるくらいには。
｢ごめん、神ちゃん｣
｢いや、のんちゃんが謝ることちゃうよ｣
タイミングよくきたタクシーに乗り込む。
｢ここまででええよ、｣
のんちゃんに伝える時、
歩道の段差にちょっとだけ躓いてしまった。
｢あかんよ。
烏龍茶しか飲んでへんのにフラフラやん。
ちゃんと家まで送る｣
こんな時、年下わんこは、
頼れる男になる。
｢俺も、1回だけ、
中学の体育の先生が、そうやって。
流星が、駆けつけてくれたん。
そんとき、初めて、来てん｣
何を言いたいか、すぐにわかった。
でもこのままこの話をするのは危険。
のんちゃんなんで発症してもうたんやろ?
まだやろ?
運転手さんに聞こえへんように、
LINEで聞いてくれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななはち(プロフ) - ルナさん» ルナちゃんの癖😳このお話頑張って行きたいと思いますので、よろしくお願いします🥰 (9月20日 10時) (
レス) id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ななちゃん…ヤバイかも…私の癖をエグっていく…/// マジでこのお話大好き♡ (9月20日 7時) (レス) @page10 id: 8bee21a619 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななはち
| 作成日時：2023年9月16日 21時
