微笑み一つ咲かせましょう(JW赤×緑)

19 赤 ページ19

来たのは、難波、松竹座。


は、こんなとこ来たことないねんけど。


周りは女ばっかり。


赤｢なんなん、これ｣


黄｢神山、出るねん。
生徒が何してるか、
教師としての勉強の一環や｣


赤｢きも。
生徒のプライベートまで｣


黄｢ま、ええから｣


入っていけば、ちょっと端っこ。




こんなん見たんなんか初めてで、
寝そうやった。


黄｢あれ、神山やで｣


はじめから出ずっぱりの奴を淳太が指さすから、
言われてから、見てた。


跳んだり、まわったり、しゃがんだり。

泣いたり笑ったり、声荒らげたり。


あいつ、あんな声出んねや。




みんなから黄色い歓声浴びてる。




歌、上手いんや。

よぉあんな踊れるわ。


劇の後は、コンサートみたいなん。

周りの女の子がキャーキャー言うてて、
うちわとか光る棒とか振り回してる。


歌ってる神山はキラキラしてて、
俺とは違う存在やってわかった。


みんなに必要とされる。

俺とは正反対の所におる人間。


神山がこっちに来た時、目が合った。


こっちに手を振った後、
直ぐに上や隣に手を振って、
笑顔を振りまいていった。


俺の隣のヤツが崩れた。




終わって、外に出た時には、
めちゃくちゃな疲労感。


黄｢どうやった？｣


赤｢疲れた｣


黄｢神山、可愛かったやろ｣


・・・・・・


可愛かった？

知らね。


その辺におる女抱く方が、
時間の有効な使い方な気がする。


黄｢研究生やって神山言うてたけど、
全然すごい大道具とか、全然文化祭の演劇とかとちゃうな｣


赤｢見てない｣


黄｢あと、多分うちの高校の1年生おった気がする｣


知るか。


黄｢あの、海のシーンでさ、｣


赤｢知らね｣


黄｢お前、何見ててん｣


何見てた・・・


赤｢あいつ｣


あいつのこと見てた。



劇のストーリーとか、
他のやつがどんなんやったとか、
全然見てないし、興味もない。


ただ、あいつだけ。



黄｢神山のこと、気に入った？｣


赤｢別に｣


別に。


黄｢でも？｣


淳太が気持ち悪い接続語を付けてくるから。


赤｢でも、抱いてもいいと思った。
芸能人なんやろ？
可愛い顔してるし、抱けそう｣


女装してた。

抱けそう。


ちょっと思った。


あの真っ白な肌。

触れたら柔らかそう。


綺麗な高い声。

感じてる声、聞いてみたい。


透き通った茶色い目。

妖艶で、感じた時の薄く膜が張った所を想像して、
勃った。


黄｢ラーメン食って帰るか｣


赤｢替え玉2回したろ｣


黄｢食いきれや？｣

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