微笑み一つ咲かせましょう(JW赤×緑)

45 ページ45

緑side


バラエティ収録。

自分でもわかってる。

自分が全くおもしろくないこと。


照史君たちの直属後輩グループとして、
関西からデビューさせてもらって、
のんちゃんはイケメンやのにトークも上手くておもろい。
流星はイケメンやのに天然でおもろい。


俺は、何もない。


どうしたら自分の強みになるやろ。


ダンスが好きなこと。
歌が好きなこと。
動物が好きなこと。


色々あるけど、どれもパッとせん。


少しだけやけど、作詞も挑戦してる。

ただ、全く上手くいかへん。

昨日は少しだけアイデアが出てきて、
結局明け方近くまでノートと向き合ってた。


桃｢神ちゃん、くま酷い｣


目の前に座るのんちゃんが、
俺の顔を覗き込んで、そう呟いた。


緑｢・・・最近ゲーム楽しすぎて。
仕事忙しいから、ゲームする時間が寝る時間削らな、ないんよな｣


まだ、作詞のことは誰にも言ってない。、


青｢程々にしいや｣


緑｢うん｣


程々に、な。


ダンスしなあかん。
歌も練習せなあかん。


しげを笑顔にするって言うてるのに、
俺が全く何もできてへん。


赤｢おい｣


緑｢わっ｣


慌ててノートを閉じる。


赤｢そろそろ抱かせろ｣


緑｢無理です｣


赤｢なんでなん？｣


緑｢逆になんで？｣


赤｢え、俺上手いで？
結構顔もイケメンやし｣


緑｢・・・なんで俺なん？｣


なんで、なんも取り柄ない俺なん？


それがずっと疑問。

あ、やから？


赤｢顔がかわいいから｣


緑｢・・・・・｣


赤｢おもろそうやから｣


緑｢おもろないで｣


赤｢処女やから｣


緑｢男やねんけど｣


赤｢俺に堕ちひんから｣


緑｢それは認める｣


ノートを隠すようにカバンに入れようとした時。


赤｢小説でも書いてるん？｣


緑｢違うわ｣


赤｢あ、そうなん？
めっちゃいいフレーズあったから。
それに、お前、国語得意やろ？｣


緑｢え、見たん？｣


ノートの中。


赤｢見た、言うか、見えた｣


緑｢最悪｣


赤｢なんでやねん。
まあ見られたくないもんあるけど。
そんないいフレーズ書くのに、なんで隠すねん｣


いいフレーズ。

別に誰にも見せたこともないから、
いっつも自分の中で自己完結やったけど、
人からそう言われるのは、ちょっと嬉しい。


緑｢あり、がとう｣


赤｢え、うわ、素直｣


緑｢俺はいっつも素直です｣


赤｢確かに｣


そう言って頭を撫でてくる。


緑｢ちょっと、｣


そんなことしんといてほしい。

そやな顔で見んといてほしい。

46→←44 赤

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す