【HSJ】殺せんせーションズ -外せないLock- ５ (ページ9)

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◇Hatred ページ9

◆side:Rapid Fire

気が付くと、辺り一面が血の海で。
そんな世界に、独り立っているおれは──────

「・・・お父さん、お母さん」

「っ、」

ぼやけていた景色が、再び形作られていく。
その中心にいるのは、最早自力で動くことも出来ない夫婦。

そして、彼らの子どもの少年だった。

「どうして、お父さんとお母さんを、殺したの？」

まだ10歳にも満たないだろう。
そんな少年が、血塗れのおれを真っ直ぐ見つめている。

無表情。
なのに瞳は、無垢を描いたように綺麗で。

その瞳が、おれには眩し過ぎた。

「何で、って・・・・・・、」

何かを言わなきゃいけない。
なのに、喉に言葉がつっかえて出てこない。

何なんだ。

「お父さんとお母さんはね、ぼくがいけない子だから、怒ってるだけなんだよ？」

棒立ちのおれに、少年の言葉が突き刺さる。

「怖いけど、ふたりとも優しいの」

こんな、無垢な子どもがいて。
どうしてコイツらは、道を踏み外したんだよ。

「だからぼく、ふたりとも好きだよ。お父さんとお母さんの子どもで、良かったと思ってるんだよ」

やめろ。
やめ、ろ。

「お兄ちゃん。たぶん、お兄ちゃんのお父さんとお母さんも──────」

「やめろっ！！」

どうにか言葉を絞り出す。
その直後、首筋に痛みを感じて。

おれの意識は、奪われた。

「・・・・・・雄也、ごめん」

意識を失う直前。
スコープの声が、聞こえた気がした。

※

お待たせしました！
リクエストひとつめ、これで終了です！

スコープの時とは違って、ラピは静かに壊れていくイメージだったので･･･
こんな感じで大丈夫でしょうか？

ここからは、次のリクエスト話に続きます。