【HSJ】殺せんせーションズ -外せないLock- ５ (ページ18)

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◆Flurry ページ18

◆side:Scope

「あー、なんか今日は調子悪いな・・・」

「ほんとだ。どうしたの？」

「いや、たぶん疲れてんだろ」

「ふーん・・・」

いつも通りの射撃訓練場所。
というか、人気の全く無い山の中。

ラピはいつも通り、弾痕で絵を描いている。
そして俺も、舞い落ちる木の葉を狙ってるんだが・・・

どうにも、調子が悪い。
というか、やっぱり昨日の事が引っかかって、射撃に集中出来ない。

・・・プロ失格だな、俺も。

「ね、ちょっといい？」

「なん、って、うわっ？！」

ぼんやりしていたせいで、咄嗟の反応が出来なかった。

ちょっといい？と言って、ラピは突然俺を抱きしめてきた。
俺はびっくりするやら何やらで、頭が真っ白になる。

そんな俺を抱きしめたまま、ラピは笑った。

「こうしてるとさ、ちょっと安心できない？」

そして突然、そんな事を言う。

「えっ？あ、あぁ、そうかもな・・・」

そりゃ、ちょっと緊張はするけど。
誰かの体温が感じられると、独りじゃないって実感できて。

ちょっと、安心する、かも。

「おれさ、スコープが落ち込んだりしてるの見ると、すっごく悲しいんだよ？」

だから、すぐには立ち直れないかもしれないけど、これで元気だして！
そう言って、ラピは笑う。

あぁ、コイツは変わらないな。
いつもより甘えてくるのも、俺の不安を感じ取って心配してたのかもしれない。

・・・それにしちゃあ、子どもっぽい甘え方ではあったけどな。

でも、それなら・・・

「ごめんな、ラピ」

余計に、心配かけるワケにはいかねぇよ。