◆Flurry ページ12
◆side:Scope
「──────ていう事がさ、あったんだよ」
ラピをベッドに寝かせて。
それから、付いた返り血を拭って着替えさせて。
それから俺も着替えた後で、ファルコンに事の顛末を話した。
とはいえ、俺は“暴走”の始まりを見たワケじゃない。
ただ、こうなった原因は何となく想像がつく。
「ラピの過去と、重なる部分があったのかな?」
「たぶん、な・・・」
そう、たぶん、きっと。
アイツの暴走の原因は、過去の記憶────トラウマ的な思い出なんじゃないだろうか。
忘れたくても忘れられない。
アイツに取り憑いた記憶が、今回のターゲットのせいで、過剰に呼び起こされてしまったのかもしれない。
前に、俺も経験した事だ。
・・・まぁ俺の時は、暴走した記憶の部分は、ごっそり抜け落ちてるんだけどな。
「過去の記憶かぁ・・・難しい問題だね・・・」
ファルコンは俯いて、難しそうな顔をする。
そう、難しいんだ。
トラウマや嫌な記憶なんて、そう簡単に払拭できるもんじゃない。
いつまでも、汚泥のように溜まり続ける。
それがやがて積もり積もって、表面化してきてしまう。
そうなったら、自分でも止められない。
「・・・まぁ、アイツが起きてきても、あんま責めないようにしような」
俺の言葉に、ファルコンも頷く。
そう、責めたって無駄なんだ。
心の問題ってのは、本人にしか分かんないもんで。
それを克服出来るのも、結局本人次第なんだ。
だから、他人がとやかく言う事じゃねぇ、ってこと。
言ったら逆効果になる事だってあるし、な。
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