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今日もまた、なかなか大胆なドレスだな。
そう思いながら私は袖を通す。
華やかなピンクのドレスを纏いながら私は今日何度目かのため息を吐いた。
社長とケーキを食べた夜から十日ほど経ったある日。
場所はHISORIの更衣室。
時刻はすでに十分夜だ。
「ちょっと、そんなにため息ついてると幸せ逃げるよー？」
「わかってるけど」
「まぁ、憂い顔のAもかわいーけどね！」
「わあっ」
いつものことながら亜由ちゃんは急に抱き着いてくるのをやめて欲しいし抱き着くと必ず身体を撫でるのやめて欲しい。
「もう、抱き着かないでってば」
「満更じゃないくせに」
「痛い痛い」
ツンツンと頬をつつく亜由ちゃんの手を払いのける。
でもおかげで笑顔を浮かべることはできた。
「ほら亜由ちゃん、お店出るよ」
「はーい」
亜由ちゃんに手を掴まれたままお店の方に戻る。
松本くんが私たちを見て呆れた顔をして、店長が「アタシもー」なんて言って私と亜由ちゃんにまとめて抱き着いてくる。
「ちょ、重い！店長重い！」
「重いって何よ亜由！」
「いったー！」
何が起きてるのかわからないけど店長が亜由ちゃんにつかみかかっている間に私は二人の腕の中から脱出する。
松本くんの方へ避難すると松本くんの呆れた目と目が合った。
「よくやるよ」
「私に言わないで向こうの二人に言って」
「まぁ、確かに」
こうしてみんなとしゃべっていれば落ちていた気分も浮上するから不思議だ。
「ほら、これそこのテーブル置いといて」
「了解」
「客が来たらちゃんとその顔で笑えよ」
「！うん」
松本くんの言葉に私は笑顔を浮かべて見せる。
日中に興信所から依頼の進捗状況の連絡が来たけど、今回も手掛かりなしで終わりそうだったのだ。
まだ期間は残ってるけど、たぶん期待薄だろう。
それでため息ばかりついていたから、みんな心配してくれたのだ、きっと。
「さてと、アンタたち、そろそろ開けるわよー。あ、A、今日はこれね」
「はい」
店長から受け取った楽譜を持ってピアノへ向かう。
ふたを開けたところに記されたSAKURAIのロゴが妙に目についた。
社長は今頃何の仕事をしているだろう。
ロゴを見ながら私は社長の姿を思い浮かべていた。
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やっち(プロフ) - 続き待ってます❗ (2021年11月9日 5時) (
レス) @page18 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月20日 21時
