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いわゆる売れないピアニストと言うのが私の仕事だ。
仕事場はとある駅の裏手、ひっそりと佇むジャズバー。
名前は「HISORI」。
ひっそりとひとりから来ていると店長から聞いたことがある。
さびれているけれど温かみがあって、小さいけれど居心地が良くて、私はここを気に入っている。
あの人の傍以外で、私が見つけた初めての居場所だ。
……いや、何度も言うようだけど、あの人の傍が私の居場所だったかどうかも今となっては怪しいものだけど。
それはともかくとしても、お給料は悪くはないし、ここでの人間関係も嫌いじゃない。
今の私にとって居場所と呼んで差し支えない唯一の場所。
そこで弾くからこそ、ピアノが好きだと思うことが出来るという面もあるのだろう。
本当だったらとっくに嫌いになっていたはずのピアノ。
というか、音楽そのもの。
だけど今の私はまだこうして鍵盤に指を走らせている。
結局あの人のおかげで、全部あの人のせいだ。
「A、曲のオーダー来てるぞ」
「ありがとう松本くん」
松本くんから受け取ったメモを楽譜に張り付ける。
アイスの形をした付箋は亜由ちゃんの持ち物だったはずだ。
相変わらず小物が可愛くて羨ましい。
私にはこういうものは似合わない。
なんてどうでもいいことを考えつつ曲を切り替える。
視界の隅に男性が座った。
小柄で色白の男性。
この店は小さくしかも目立たない場所にあるから客の多くは常連客だ。
一見さんがやってくると実は結構目立つ。
初めて見るお客さんだった。
カクテルに口をつけながらも時々こちらを見ている気がする。
目の前のピアノに集中しているように見えても人の視線は感じるものだ。
じっと見られているわけではないが、ちらちらと気にされているらしい。
こういう仕事だから見られること自体にそこまで抵抗はないんだけど、さすがに店長が選んだドレスが大胆過ぎたんじゃない、とは思う。
あとで文句言っておこうかな。
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iCHiKA(プロフ) - のりさん» のり様、お久しぶりです！お待たせしてました、久々の今回は「キスしたいだけ」でございます。こちらこそ今回もありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。お楽しみいただければ良いのですが。今回もぜひ最後までよろしくお願いしますね！ (2021年9月8日 21時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - キタ。今回はキスをしたいだけのお話なんですね。しかも思いがけず長編連載。ありがとうございますm(__)m 既に続きが楽しみすぎです。あ、こんにちは。お疲れ様です。余談ですが私にも亜由ちゃん同様カワイ子ちゃん(3人)がいますw (2021年9月8日 16時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月4日 16時
