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酔狂な人だと思う。
仕事中に生演奏のピアノを聞くためにわざわざピアニストを雇うなんて。
でも、一日聞いていたいと考える人だからこそ、私を選んでもらえるのはピアニストの端くれとしては嬉しいことだ。
「……わかりました」
「っ、じゃあ」
「はい。お引き受けさせていただきます」
ぺこりと頭を下げる。
目の前にある櫻井社長の顔に本当に嬉しそうな笑みが広がった。
「ありがとうございます。じゃあ早速契約を。二宮！いる？」
「はい、ここに」
扉が開いて二宮さんが入ってくる。
その手にはすでにクリアファイルが握られていた。
「じゃあこちらで」
「はい」
促されて最初に座っていたソファに戻る。
契約書を差し出した櫻井さんが、ペンを差し出しながら付け足すように言った。
「そうだ、今貴女はジャズバーで仕事をなさってるんですよね」
「ええ」
「そちらの仕事は続けていただいて構いませんよ」
「え？」
「俺は会社にいないことも多いので、うちでの仕事は二週間ごとのシフト制にしようと思っているんです。なので、他の日に何をしてもらっても構いません」
「いいんですか？」
「そう言ってますよ」
櫻井社長は困り顔で笑った。
本当にいいんだろうか。
ずいぶん破格の契約に感じるんだけど。
「あとお願いも、決まったらその時に教えてください。出来る限り何とかします」
「あ、その事なんですけど……」
「？」
サインを終えた私はペンと契約書を櫻井社長に返しながら恐る恐る声を出す。
不思議そうな顔をした櫻井社長に、早速唯一のお願いをぶつけてみた。
「実は、探してる人がいるんです。それを探していただくことは可能ですか？」
櫻井社長がパチパチと瞬きをする。
その横で二宮さんが目を細めたようなそんな気がした。
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iCHiKA(プロフ) - のりさん» のり様、お久しぶりです！お待たせしてました、久々の今回は「キスしたいだけ」でございます。こちらこそ今回もありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。お楽しみいただければ良いのですが。今回もぜひ最後までよろしくお願いしますね！ (2021年9月8日 21時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - キタ。今回はキスをしたいだけのお話なんですね。しかも思いがけず長編連載。ありがとうございますm(__)m 既に続きが楽しみすぎです。あ、こんにちは。お疲れ様です。余談ですが私にも亜由ちゃん同様カワイ子ちゃん(3人)がいますw (2021年9月8日 16時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月4日 16時
