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大量の花を摘んだバンは軽快に相葉の店に戻って行く。
傷んだ花を抜き取り、新しい花を入れ開店の準備だ。
奥から一輪挿しを持って来て、大野に手渡す。
仄かな香りがするだけで主張はきつくない。
松本の厨房にも置けそうだ。
相葉もレジの横に置いた。
明日、櫻井の所にも２本持って行く。
櫻井に電話して確認したら一輪挿しはあるとの事。
アレンジした花達と２本ペーパーで包み出かけて行った。
それぞれのデスクに飾ってくれれば嬉しい。
「雅紀、一輪挿しなんかどうした？」
「この花の花言葉はね、友情なの」
「まーくん、だから俺達に？」
「潤ちゃんやおーちゃんにもあげたんだ」
「えっ、タダ？」
「もちろん」
「いいのか？」
「うん、俺の気持ちだから」
会社中の花を入れ替えて、櫻井と二宮のデスクに飾って店に戻って来た。
今日は薬を飲んでないおかげで、気分がいい。
櫻井の会社から引き上げて来た花達をバラして、半額コーナーに入れる。
早速、花を持って店に入って来るお客様がいる。
「この花こんなに綺麗なのに半額なんですか？」
「はい、一度使った花なんです」
「まだまだ綺麗なのに」
「だから、また気に入ってくれる人に買ってもらいたいんです」
「お店の中の花も綺麗だけど、私はこれが好きかも」
「有難うございます」
花をラッピングしお客様に渡すと、嬉しそうな表情をして大事に抱えて帰って行った。
相葉が一番嬉しい時である。
この日は、新しく仕入れた花達もよく売れたし半額コーナーの中は既に空っぽだ。
花屋で良かったと思う事がある。
喜ぶ顔を見たいから、こんな時でも続ける事が出来る。
明日からまた副作用に悩まされてしまうけど、花達に囲まれていると我慢出来る。
大野からは、無理せず休む事も大事だと言われた。
自分も、目の様子を見て休む事も大事だと思う。
花を仕入れるのも、少し量を減らしてもいいかと考える。
せっかく仕入れてきても、店を開けられない日も出てくるし。
松本の店に置くアレンジを作りながら、今日は早く店を閉めようと思う。
朝からムカムカする。
やって来るお客さんが一区切りついたら、店を閉めよう。
気力を振り絞り、でも顔には出さず乗り切った。
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SEN(プロフ) - はっしーさん» 読んで頂きありがとうございました。お花大好きです。うちは山野草が好きなのです。こちらの彼のようにお客さんに接する事はないけど、花が好きな所だけは似てるかも。うちの話だと言って頂き嬉しく思います。ありがとうね。 (2020年3月15日 7時) (
レス) id: 81a5a7e5b5 (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - SENさん、本当にお花が好きなんですね。お花を見つめる相葉さんの優しい眼差しが、お会いしたこともないけれどSENさんと重なって見えました。すみません、お会いしたこともないのに変ですよね。でも、こちらのお話はSENさんご自身のお話だと思いました。 (2020年3月15日 2時) (レス) id: 6a89c59bf2 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 返信ありがとうございます。そうですね。次回作も楽しみにしています。 (2020年3月13日 1時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
SEN(プロフ) - 櫻宮さん» 読んで頂きありがとうございました。彼の笑顔は最高です。きっと楽しくお店を続けていくと思います。 (2020年3月12日 21時) (レス) id: 81a5a7e5b5 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - こんなに感動するお話初めてです。ありがとうございます。彼の長所は笑顔だと思います。これから彼は仲間とともにお店を続けるのかな？どこかでお会いできますように… (2020年3月12日 18時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEN
| 作成日時：2020年2月23日 20時
