・・２７１・・ ページ21
・
色付き始めた木々。
その様子を雅紀は絵に描いた。
優しい色使い、温かい絵だと大野は思った。
「雅紀、上手ですね」
「和くんほんと？」
「僕は好きですよ、この絵」
「んふふっ」
「絵を描くのは楽しいですか？」
「うん、だーーい好き」
「じゃぁ、また描いてくれますか？」
「いーーーっぱい描くの」
「楽しみにしてますよ」
「うん」
ソファに座り、二宮と話をしている雅紀。
嬉しそうな顔をしている。
絵を描くのは雅紀にとって日常であり、それが安定した生活なのだろう。
大野はその絵を総合病院の院内学級の先生に見せた。
先生に雅紀の絵を市の「秋の絵画展」に出してみたらどうかと言われた。
「雅紀」
「ん？」
「この絵、みんなに見てもらおうか」
「みんな？」
「絵画展があるんだ、それに出してみないか？」
「僕の絵？」
「そうだ」
「出したらどうなるの？」
「さぁ、それは判らないけど、みんなに見せてあげよう？」
「お父さんも見れる？」
「あぁ、みんなで見に行こう」
「うん！」
雅紀の父親はまだ離れて暮らしている。
週末には会えるが、一緒に暮らすのは来年になる。
母親に絵の事を話して来ると、隣りへ駆けて行った。
大野はすぐに雅紀の絵を提出し、2週間後はみんなで見に行く。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 567人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SEN(プロフ) - hirochan.さん» 初めまして、こんばんは。読んでいただき有難うございます。更新、頑張りますね！ (2016年7月5日 19時) (
レス) id: 1808d14437 (このIDを非表示/違反報告)
hirochan.(プロフ) - はじめまして。小説、読ませていただきました。引き込まれて、涙が止まりませんでした。これからも楽しみにしています。 (2016年7月4日 16時) (レス) id: 6016dfa0bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SEN
| 作成日時：2016年7月1日 13時
