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大野の通っている総合病院。
院内学級に絵の先生がいた事を思い出した。
明日にでも、その先生に相談してみようかと考える。
絵を描く事が雅紀を落ち着かせ、成長させてくれるだろうか。
「智くん」
「ん？」
「外で絵を描いたらダメ？」
「何で？」
「葉っぱが紅くなってるでしょう、それを描きたいの」
「長くいないと約束出来るならいいよ」
「うん」
「潤と一緒に行くか？」
「何で？」
「温かいスープを一緒に持って行ってもらおう」
「いいの？」
「あぁ、その代り寒くなって来たら帰っておいで」
「そうする」
翌日、食材を買いに行く松本に絵の道具も頼んだ。
画用紙と絵の具を取りあえず買って来てもらう事にした。
それから、雅紀が絵を描くのに外に出る時は一緒に行くように頼む。
「俺が？」
「温かいのを作って飲ませてやってくれ」
「判った」
「あまり長く外にいたらダメだぞ」
「服にも気を付ける」
「頼む」
雅紀はどんな絵を描くのだろう。
大野は楽しみになってきた。
描いた絵を総合病院の絵の先生に見せてもいい。
雅紀の日常が戻って来る。
一番落ち着くようにしてやりたい。
社会から離れ、この家でずっと暮らしてもいい。
会社になんか行けないのだから。
だが、閉じ込めるような事はしたくない。
外にも連れ出してやりたい。
他人とも関わっていけるだろうか。
そうなれるように勉強もしている。
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SEN(プロフ) - hirochan.さん» 初めまして、こんばんは。読んでいただき有難うございます。更新、頑張りますね！ (2016年7月5日 19時) (
レス) id: 1808d14437 (このIDを非表示/違反報告)
hirochan.(プロフ) - はじめまして。小説、読ませていただきました。引き込まれて、涙が止まりませんでした。これからも楽しみにしています。 (2016年7月4日 16時) (レス) id: 6016dfa0bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEN
| 作成日時：2016年7月1日 13時
