夢から覚めたら…。【SJ】16

彼女の気持ち〜キュヒョンside〜 ページ9

ダンスレッスンで久しぶりにメンバーが集まった部屋に シウォンヒョンの声が響いた。

シウォン『珍しい人を拉致しましたよ〜！』

どうせSHINeeか少女時代の誰かと思い 別に興味もわかなかった。

でも…俺の耳に入って来たのは、Aの声。

メンバーはAの周りに自然に集まる。

笑いながらの会話。俺が近付ける訳がない…。

平静を装いストレッチを続ける。

誰も俺に声を掛ける人はいない。気を使っているのか。

A『もう邪魔しちゃ悪いから行くね…』

その言葉で彼女の方を見ると 一瞬だけ絡み合った視線。

刹那そうに俺を見つめる瞳。

何となく後ろめたい気持ちで自分から目を逸らす。

シュキラにゲスト？

Aのあのポスターでかなり注目されていたから いつかはメディアに出ると思った。

動揺……。ダンスレッスンに身が入らない。

大まかな流れを覚えて宿舎に帰る。

リョウクとソンミンヒョンは、ラジオの打ち合わせがあるからと事務所からそのまま局入り。

俺は、部屋に入りパソコンの電源を入れてシュキラが始まるのを待った。

ファンに手を振るA。照れくさそうに笑う顔。
柔らかなトーンの声。

久しぶりに見るAの笑顔。

そして初めて聞いたピアノ。

少しだけ腫れた目。もしかしてあの後泣いた…？

食い入るように彼女の姿を画面で見る俺はただのバカな男。

あっという間に時間は過ぎてラジオは終わってしまった。

ベッドに寝転び天井を見つめる。

〔ガチャ〕ドアの開く音と共にソンミンヒョンが入って来た。

キュヒョン『お帰りなさい』

ソンミン『シュキラ、聞いた？』

キュヒョン『はい……。』

ソンミン『元気そうだったよ。キュヒョン…』

キュヒョン『……はい？』

ソンミン『まだ、好きか？Aの事。』

キュヒョン『はい…。』

ソンミン『今日、Aを責めてしまった。黙って行方不明になったり音信不通になった事。 そしたら……』

キュヒョン『…当たり前です。俺との関わりを断ちたかったんでしょう。俺のせいです』

ソンミン『Aの事は、諦めた方がいいと思う。僕達が思ってる以上に彼女は傷付いてた。』

ヒョンのいつにない深刻な表情に 俺は戸惑っていた。

ヒョンの言葉〜キュヒョンside〜→←私の側には…。

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