ねぇ……〜ユノside〜 ページ34
部屋に漂う甘い香り。
昼間からAと過ごせるのは、貴重な事。
キッチンでケーキを作っている彼女の後ろに回り、腰に腕を巻き付ける。
A『来て早々どうしたの?(笑)動きづらいよ』(笑)
もう少ししたら、暫くこんな事も出来なくなるんだ。僕にしたら、1分1秒も離れて居たくないと思うのは当たり前だろ?
やんわりとキッチンから追い出された僕は、わざと拗ねた振りをしてみせた。
Aがコーヒーを持ってリビングに入って来た時、ちょうどテレビから彼女が出ているCMが流れた。
ユノ『僕、このモデルさん好き…』
わざとそんな事を口にして、彼女の反応を伺う。思わず飲んでいたコーヒーを吹き出したA。
A『ねぇ、どうしちゃったの?(笑)今日のユノ変だよ』(笑)
テレビに映し出された彼女の姿から、目が離せないでいると、口にの中に何かを押し込まれた。
ユノ『……美味しい。』
Aが作ってくれた苺タルト。
あまりの美味しさに、彼女の頭を撫でた。甘過ぎず、しつこくない。僕の好きな味。
ユノ『…Aの手は、魔法の手なの?こんな細くて綺麗な手で、どうしたらこんな美味しいもの作れるの?』
柔らかな微笑みを浮かべる彼女を引き寄せる。
A『ユノ…。今日のユノは、スキンシップが激しいのね』(笑)
だから。だーかーらー、気づいてよ。
ソファーに突っ伏している僕の頭上から聞こえる、Aの柔らかい声。
A『ユノ…。ねぇ、ユノ。』
何度呼ばれても顔を上げてやらない。
意地悪して、わざと知らないふりをする。
A『ユノ…。ユノオッパ……』
えっ?
今、なんて言った?
ガバッっと上体を起こした僕を見て、クスクスと笑う彼女。
目の前に、ラッピングされリボンの付いた包み。
A『この前の誕生日パーティー、間に合わなくて。それから時間取れなくて、渡すの遅くなっちゃった。ゴメンね。』
ユノ『……ありがとう。それよりさっき、オッパって…』
A『呼んでみたくなっただけよ……。でも、なんか慣れないから可笑しいわね』(笑)
正直慣れない。どこかくすぐったい。でも……、嬉しい。
僕はまた、彼女を腕の中にし舞い込んだ。
ユノ『…ねぇ、もう一回。もう一回呼んでみて?』
A『……』
ユノ『…ねぇ。A…』
A『…ユノオッパ……』
真っ赤になったAがかわいくて、僕はケーキよりも甘いキスを彼女に落とした。
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そらぞう(プロフ) - はい!楽しみに待ってます! (2014年5月15日 20時) (レス) id: f7e9c2c335 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - そらぞうさん» コメントありがとうございます。あとは、afterstoryの方でそれぞれのお話を書けたらと思ってます。キュヒョンとの絡みもあるかも?しれないですよ。 (2014年5月15日 18時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
そらぞう(プロフ) - ホントのラストですか…?お疲れ様でした~。私としてはきゅひょんさんとのラストを期待していましたが、こういう落ち着き方何ですね。長く追い掛けてきて何度も涙しました。ありがとうございました!! (2014年5月15日 16時) (レス) id: 62b339f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。只今、ラストを下書きしています。何度も書き直してまして、まだアップできません。お待ち下さいませ。 (2014年5月15日 14時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ここに来ての初コメです・・・とうとう終わりが来てしまいますね ライブの前日のようなドキドキを味わっています。とっても楽しませてもらいました ありがとうございます!! (2014年5月15日 14時) (レス) id: 01b01bc73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:慧 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時:2013年12月15日 18時