我が儘〜ユノside〜 ページ18
Aから帰国の話しを聞かされた後、心の奥底にしまっていた何かが弾けた。
何故?僕の大切な人は、僕を置いて行くの…?
君も同じなの?
僕らは…始まったばかりじゃないの?
次から次に口をついて出て来る言葉に、戸惑いの表情を浮かべるA。
A『1年後、ここに戻って来るから…。』
スタイリストとしてステップアップするために、日本に帰って勉強したいと言っている彼女に、不安をぶつけた僕。
感受性の強いAが、僕の抱えていた心の闇に気付かない訳がない。
彼女は黙って僕を抱きしめてくれた。
A『約束するわ。戻って来る』
その言葉を聞いても尚、不安は拭い去れない。
僕は…彼女を求めた。
Aと一つになる事で、自分の気持ちを救い出したかったのかも知れない。
薄暗い灯りの中で、さらに妖艶な姿を見せるA。
彼女の唇から漏れる吐息と囁きが…、さらに僕を燃え上がらせた。
離れられない……。
もう、Aが居ない生活は考えられなかった。
彼女の艶やかな肌。濡れた唇。
全てが美しく、僕は夢中で抱いた。その一時だけは、全てを忘れる事が出来た。
疲れ果てて泥の様に眠りに着いた二人。
僕が目を覚ました時、Aは腕の中でまだ眠っていた。
寝顔を見つめ、彼女の髪を撫でる。
A『ん……』
まだ眠そうに、僕の胸に顔を埋める彼女。その細い肩を抱き寄せ、額にキスをする。
A『ユノ……起きてたの……?』
ユノ『ん…A。行っておいで日本に。僕は待ってる。全く会えないわけじゃない。韓国と日本なんて数時間しか離れてないし、君の夢を叶えるために1年勉強しておいで。』
A『ユノ…。ありがと……。』
ユノ『僕も、夢を叶える為に頑張るから。』
A『ユノの夢?それって?』
言わないでおこうと思っていた。だけど……。
ユノ『もう一度…。もう一度…東京ドームのステージに立つ事。チャンミンと二人で。あそこを満員に出来たら、二人の東方神起が認めてもらえる。』
A『大丈夫。ユノとチャンミンならドームを満員に出来るわよ。私には見えるもの あそこでライブをする二人の姿が……』
そう言って微笑むA。
彼女の〔大丈夫〕は、いつも僕の背中を押してくれていた。
カムバックの時も、二人になって初めてのステージの時も……。
僕の我が儘を黙って受け入れてくれた彼女の背中を、今度は自分が押してやらなければと思っていた。
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そらぞう(プロフ) - はい!楽しみに待ってます! (2014年5月15日 20時) (レス) id: f7e9c2c335 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - そらぞうさん» コメントありがとうございます。あとは、afterstoryの方でそれぞれのお話を書けたらと思ってます。キュヒョンとの絡みもあるかも?しれないですよ。 (2014年5月15日 18時) (レス) id: b16b47566a (このIDを非表示/違反報告)
そらぞう(プロフ) - ホントのラストですか…?お疲れ様でした~。私としてはきゅひょんさんとのラストを期待していましたが、こういう落ち着き方何ですね。長く追い掛けてきて何度も涙しました。ありがとうございました!! (2014年5月15日 16時) (レス) id: 62b339f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます。只今、ラストを下書きしています。何度も書き直してまして、まだアップできません。お待ち下さいませ。 (2014年5月15日 14時) (レス) id: 35097dfc61 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ここに来ての初コメです・・・とうとう終わりが来てしまいますね ライブの前日のようなドキドキを味わっています。とっても楽しませてもらいました ありがとうございます!! (2014年5月15日 14時) (レス) id: 01b01bc73b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:慧 | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時:2013年12月15日 18時