#27 愉悦 ページ29
床にはり付いた赤黒い、こげ茶のようなシミ。
…背筋の冷や汗を感じながらも、スワドリ様に尋ねてみた。
「…これ、って…？」
支離滅裂もいいところだが、スワドリ様はクルリと振り返ってしばらくしたのち、
ﾄﾞﾘ「俺は視力があまり良くないんでね…何のことを言っているんだい？」
と、返答が帰ってきた。
あぁそうなのか、スワドリ様は視力がよくないのか、と納得し、特徴を言う。
「床に、赤黒いシミがあるんです。不自然な感じで…あ、あと匂いもなんか変で…」
そう伝えると、しばらくの間沈黙がこの場を支配した。
なにかまずいことを言ってしまっただろうかと不安になりながらも、辛抱強く待つ。
実際はそんなに経っていないのだろうけど長い時間が過ぎ、ようやっとスワドリ様が口を開いた。
「…あぁ、シマリスのものだろうな。ついこの前までいたんだが、どうやら踏みつぶしていたようだ。」
え？
シマリスを、踏みつぶし…！？
思わず、足元の赤黒から離れる。
踏みつぶしたってことは、スワドリ様は動物の命を殺したってことで、自分はそれを先ほどまで踏んでいたってことで…！
想像を絶する事実に、目を瞑る他なかった。
嫌悪感なんて言葉で表せないほど衝撃で、現実離れしていて、拒絶の反応だ。
「…やはり心がもたないか。」
声が聞こえて、赤黒を視界に入れないように目線を上げるとスワドリ様がこちらを向いていた。
あの背筋をぞわぞわさせる、ニヤケ笑顔で。
…おそらく、スワドリ様はこちらを試している。
何を試しているのかはよくわからないけれど、
スワドリ様をにらみ上げることなんてできないが、訝しさに満ちた顔をすることくらいはたやすかった。
……ここでもたないと言って折れてしまったら、今までの努力が、ケツイが水の泡…！
…これまでの私こ行動はケツイと呼べるものではないと思うが…
「…まだ、大丈夫…！」
必要最低限の言葉だけを発した。
言った後からしてみれば、説得力のかけらもない。
赤黒とは向き合えていないし、体を支えて立っている足も頼りなく、小刻みに震えているような気さえする。
それでも、ここで折れるわけにはいかない。
「……」
スワドリ様は何も言わず先行していく。
こちらも、大きく息を吐き、休むのもほどほどにしてさらに家の中へと入る。
私たちの姿が外から見えなくなるのは、すでに時間の問題だった。
祝5000hit!!!ありがとうございます！→←#26 嫌悪感
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Sache@不定期浮上野郎(プロフ) - Suiさん» わわ、ありがとうございます！更新頑張りますね〜！🥰 (2023年4月7日 15時) (
レス) id: 0547b66b90 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 更新頑張ってください!!! Loveの方での好きです!!(←唐突な告白やめろ) (2023年4月6日 20時) (レス) id: 4e48053f2a (このIDを非表示/違反報告)
Sache＠不定期浮上野郎(プロフ) - ぺるさん» ありがとうございますだぜ、へい！←お前初対面のくせしてなんて口の利き方を() (2023年3月31日 13時) (レス) id: 0547b66b90 (このIDを非表示/違反報告)
ぺる(プロフ) - 最高だぜへい！←おい (2023年3月30日 21時) (レス) @page42 id: 64abccb79c (このIDを非表示/違反報告)
sachesache(プロフ) - 名無しさん» 名無しさんありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d514852043 (このIDを非表示/違反報告)
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