#21 焦燥感 ページ22
タコスを食べ終わった後の俺とAさんはすぐに店を出ず、席に座ったままでいる。
…目のやり場に困る…。
ちらっとAさんを見ると、時々飲み物を口に含みながら外の景色を眺めていて。
優しい目で周囲を見る貴方の、ニンゲン独有の柔らかそうな輪郭と唇が描いている緩やかな弧に、
なぜかひどく、気になって。
ーーーーーー
「！、何ですか？」
あ、と思わず声が漏れる。
俺の方を向いた貴方は、先ほどまでの柔和な微笑ではなく、ハッとした顔をしていて。
壊してしまった、そんなふうに感じた。
途端に罪悪感を感じ、居ても立ってもいられなくなって店のドアをくぐる。
店を出ると、硬い地面を踏みしめて裏路地のスモーキングエリアに。
縦に長い灰皿へとたどり着く前に、俺の手はベルトからタバコを取り出していた。
すぐさま火をつけ、咥える。
2、3回吸って吐くといくらか精神が安定したようで、ぼーっとつい先刻のことについての思案に耽る。
だが、どうも記憶が曖昧で何を言ったか何をしたかよく覚えていない。
Aさんにどう思われただろうかと考えると頭がまた痛くなる。
どうしようもない脱力感に押されて近くの壁にもたれかかり、タバコの煙が周囲に溜まっていくのが見える。
店で一人にさせているAさんのところへ早く戻らないといけないと思う反面、俺のもう一つの感情はAさんと関わることに一種の違和感を感じている。
先刻のことだって例外ではなく、俺の言葉でAさんの優しげな顔が変わってしまった。
もちろん、他の表情が悪いわけではないが、あの優しい顔をうかがえなくなったことが気がかりで。
なんだかハートのロケットを渡したことでさえ恥ずかしく思えてくる。
Aさんには、俺の助けなど必要ないのではないだろうか。俺がロケットに細工をして渡す必要も、ないのではなかろうか。
…
……
…………
……？
俺はいつから、こんなに人目を気にするようになった？
兄貴を止められさえすれば十分なはずなのに。
いやむしろ、これは人目というより…
その時だった。
全身がなぜかひどい
嫌な予感がして上を見上げると、灰色だったはずの曇り空が、黄色に変わっていた。
目を痛めそうなほどの黄色。
急激に膨れ上がるポジティブ。
「………！」
兄貴が、来ている。
よりによって、こんなタイミングで…！
俺は一目散にAさんのもとへ向かった。
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Sache@不定期浮上野郎(プロフ) - Suiさん» わわ、ありがとうございます！更新頑張りますね〜！🥰 (2023年4月7日 15時) (
レス) id: 0547b66b90 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 更新頑張ってください!!! Loveの方での好きです!!(←唐突な告白やめろ) (2023年4月6日 20時) (レス) id: 4e48053f2a (このIDを非表示/違反報告)
Sache＠不定期浮上野郎(プロフ) - ぺるさん» ありがとうございますだぜ、へい！←お前初対面のくせしてなんて口の利き方を() (2023年3月31日 13時) (レス) id: 0547b66b90 (このIDを非表示/違反報告)
ぺる(プロフ) - 最高だぜへい！←おい (2023年3月30日 21時) (レス) @page42 id: 64abccb79c (このIDを非表示/違反報告)
sachesache(プロフ) - 名無しさん» 名無しさんありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2022年8月21日 14時) (レス) id: d514852043 (このIDを非表示/違反報告)
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