湘北バスケ部マネの笑顔は世界を救うらしい

赤木晴子の憂鬱 ページ14

私は知ってる。



皆の憧れの流川くんのこと。



私の大好きな流川楓くんのこと。



彼は、沢山の高校から推薦の話が来ていたろうに、湘北に入学した。



彼は、授業は全寝と噂で勉強をしないのに、小テストは毎回満点。



おかしい、なんで弱小の湘北で、赤点だらけのはずの流川くんが？



皆そういった。



でも、私は知っている。



両方の疑問の理由には一貫して、1人の女子が存在する。



AA。



美人でスタイルも良く、頭がいいことでも有名。



クラスメイトとかには煩いって言われがちだが、それは作られたキャラだということを知っている人は少ない。



だからこそ、彼女が素で接する人はAちゃんに皆、心酔している。



なぜ知ってるかって。



私がその内の1人だからだ。



私は、流川くんに誰、と言われたことがショックで、駅で一人で佇んでいた。



眼鏡をして、泣いていることを周りに悟られないようにと。



しかし。





『ハルコちゃん、だよね？』



「……そう、です」



『よかった、花道からいつも聞いてるよ。不器用やんちゃ野郎と仲良くしてくれてありがとう、花道いっつも嬉しそう。』





そう言って私に笑った。



私が泣いていることに、気付いていなかったのだろうか。



なんて無神経な。



最初はそう思った。

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